コンタクトレンズ、何歳まで使える? 快適な視生活を送るためのヒント
「もう年齢だからコンタクトレンズはやめた方がいいのかな?」
「老眼になってもコンタクトレンズって使えるの?」
コンタクトレンズを使っている方なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。実は、コンタクトレンズに「何歳まで」という明確な年齢制限はありません。 しかし、年齢とともに目の状態は変化するため、快適に使い続けるためにはいくつかのポイントがあります。
今回は、年齢とコンタクトレンズの関係性や、老眼の方でも使えるコンタクトレンズの種類、そして快適な視生活を送るためのケアと注意点まで、詳しくご紹介します。
コンタクトレンズに年齢制限はないけれど…目の変化と向き合う
前述の通り、コンタクトレンズに「何歳まで」という一律のルールはありません。しかし、加齢に伴い目の状態には変化が生じます。
年齢とともに変化する目の状態
涙の量と質の変化: 年齢を重ねると、涙の分泌量が減ったり、涙の質が変わったりして、目が乾きやすくなる傾向があります。これは「ドライアイ」の原因となり、コンタクトレンズの装用感が悪化する原因にもなります。
角膜(黒目)の変化: 角膜の細胞が減少し、酸素透過性も低下することがあります。これにより、酸素不足による目のトラブルが起きやすくなる可能性があります。
老眼の進行: 40代頃から、目のピント調節機能が衰え始め、近くのものが見えにくくなる「老眼」が始まります。これが、コンタクトレンズの装用を続けるかどうかの大きな転機となることが多いでしょう。
目の病気のリスク上昇: 白内障、緑内障、加齢黄斑変性など、目の病気のリスクは年齢とともに高まります。これらの病気があると、コンタクトレンズの装用が適切でなくなる場合があります。
これらの変化は個人差が大きいため、一概に「何歳になったら使えない」とは言えません。大切なのは、自分の目の状態に常に注意を払い、適切なケアと定期的な検査を行うことです。
老眼になっても大丈夫!遠近両用コンタクトレンズの登場
「老眼になったらメガネしかない」と思われがちですが、実は老眼の方でもコンタクトレンズで快適な視生活を送るための選択肢があります。それが、**遠近両用コンタクトレンズ(多焦点コンタクトレンズ)**です。
遠近両用コンタクトレンズとは?
遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズの中に遠くを見るための度数と近くを見るための度数が設計されており、見るものに合わせて脳が自動的にピントを合わせるように作用します。
遠くと近くをこれ1枚で: 老眼鏡をかけたり外したりする手間がなくなり、日常生活が格段に便利になります。
見た目もスッキリ: メガネをかける必要がないため、見た目の印象を気にせず、若々しい印象を保てます。
種類も豊富: 1日使い捨てタイプ、2週間交換タイプなど、様々な種類があります。
遠近両用コンタクトレンズの種類
遠近両用コンタクトレンズには、主に以下の2つのタイプがあります。
同時視型: レンズの中心部または周辺部に遠用・近用度数が同心円状に配置されており、遠くと近くの像を同時に網膜に結ばせます。脳がどちらかを見やすいように選択するタイプです。
交代視型: ハードコンタクトレンズに多く、レンズが目の動きに合わせて上下に動き、遠くを見る時はレンズの上部、近くを見る時はレンズの下部でピントを合わせるタイプです。
どちらのタイプも、慣れるまでに時間がかかったり、見え方に個人差があったりします。眼科医と相談しながら、ご自身の目の状態やライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
快適なコンタクトレンズ生活を送るためのヒント
年齢に関わらず、コンタクトレンズを安全で快適に使い続けるためには、日々のケアと定期的な受診が欠かせません。
1. 眼科での定期検査は必須!
目の状態は常に変化しています。自覚症状がなくても、目の健康を維持するために、3ヶ月~半年に一度は必ず眼科で定期検査を受けましょう。
特に、40代以降は白内障や緑内障などの病気のリスクも高まるため、早期発見・早期治療のためにも定期的な検査が非常に重要です。
2. ドライアイ対策をしっかりと
年齢とともに涙の量が減りやすいので、ドライアイ対策は重要です。
保湿力の高いレンズを選ぶ: シリコーンハイドロゲル素材など、酸素透過性が高く、乾燥しにくい素材のレンズを選ぶと良いでしょう。
人工涙液(目薬)の活用: 防腐剤フリーのコンタクトレンズ用目薬をこまめに点眼し、目の乾燥を防ぎましょう。
加湿器の利用: 空気が乾燥している室内では、加湿器を使うのも効果的です。
3. 正しいケア方法を徹底する
レンズケアを怠ると、目のトラブルの原因になります。
手洗いを徹底: レンズに触る前は、必ず石鹸で手を洗い、清潔にしましょう。
洗浄・消毒を適切に: 再利用タイプのレンズは、こすり洗いを含め、正しい方法で毎日洗浄・消毒を行いましょう。
レンズケースも清潔に: レンズケースも毎日洗浄し、自然乾燥させ、定期的に新しいものに交換しましょう。
4. 装用時間を守る
推奨される装用時間を超えてコンタクトレンズを使用すると、目に負担がかかり、トラブルの原因になります。医師の指示に従い、適切な装用時間を守りましょう。
5. 異変を感じたらすぐに眼科へ
目のかゆみ、充血、痛み、ゴロゴロ感、見え方の変化など、少しでも目に異変を感じたら、すぐにコンタクトレンズの装用を中止し、眼科を受診しましょう。
まとめ:年齢を重ねても、コンタクトレンズでクリアな視界を!
コンタクトレンズに年齢制限はありません。しかし、年齢とともに目の状態は変化するため、それに合わせたレンズ選びや適切なケア、そして何よりも眼科での定期的な検査が不可欠です。
老眼になっても、遠近両用コンタクトレンズという選択肢があります。ご自身の目の健康とライフスタイルに合わせて、医師とよく相談し、最適なコンタクトレンズを見つけることで、何歳になっても快適でクリアな視生活を送ることが可能です。