人工授精前の排卵誘発剤の使い方
人工授精(AIH)を受ける際、排卵誘発剤を使用することで排卵のタイミングをコントロールし、妊娠の可能性を高めることができます。正しい使い方を理解することは、安全で効果的な治療につながります。ここでは、人工授精前に用いられる排卵誘発剤の種類と使い方、注意点について解説します。
1. 排卵誘発剤の目的
人工授精では、排卵のタイミングを正確に把握することが重要です。排卵誘発剤を使うことで以下の効果があります:
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卵胞の発育を促す
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排卵日を予測しやすくする
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妊娠の確率を上げる
2. 主な排卵誘発剤の種類
① クロミフェン(Clomiphene)
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経口薬で最も一般的な排卵誘発剤
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卵胞の成長を促す作用がある
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服用期間は生理周期の3〜7日目に5日間程度が多い
② レトロゾール(Letrozole)
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経口の排卵誘発剤
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クロミフェンより子宮内膜への影響が少ないとされる
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卵胞が育ちやすく、初期の不妊治療で使用されることが多い
③ ゴナドトロピン(hMG・FSH注射)
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注射タイプで直接卵巣を刺激
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クロミフェンやレトロゾールで十分に卵胞が育たない場合に使用
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医師による注射管理が必要
3. 使用の流れ
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生理開始の確認
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生理が始まったら医師の指示に従って服用開始
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服用・注射の管理
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経口薬は決められた期間服用
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注射は医師または看護師の指導で実施
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卵胞チェック
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超音波検査で卵胞の成長を確認
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排卵日を予測して人工授精のタイミングを決定
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排卵誘発と人工授精のタイミング
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卵胞が成熟したら排卵を誘発(hCG注射など)
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36時間前後で人工授精を実施
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4. 注意点
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副作用の確認
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服用中に腹部膨満感、吐き気、頭痛などが出ることがある
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多胎妊娠のリスク
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卵胞が複数育つ場合があるため、医師の管理下で使用する
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定期的な受診が必須
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超音波検査やホルモン検査で卵胞の発育状況を確認する
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5. まとめ
人工授精前の排卵誘発剤は、妊娠率を高めるために非常に有効です。
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クロミフェンやレトロゾールなどの経口薬、ゴナドトロピン注射などがある
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生理周期に合わせて服用・注射し、卵胞の成長をチェック
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排卵日を予測して人工授精のタイミングを決定
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副作用や多胎妊娠のリスクを理解し、医師の指導下で行う
正しい使い方と医師のサポートで、安全かつ効果的に人工授精に臨むことができます。