国民健康保険が高すぎる?知っておきたい保険料を安くする仕組みと具体的な対策ガイド
「国民健康保険の納付書を見て、あまりの高さに驚いた……」
「会社員時代よりも負担が増えた気がするけれど、どうにかならないの?」
フリーランスとして独立した際や、会社を退職した後に直面する大きな壁の一つが「国民健康保険料(国保)」の負担です。会社員とは違い、全額自己負担となるだけでなく、所得に応じて驚くような金額になることも珍しくありません。
実は、国民健康保険には「知らないと損をする」負担軽減の仕組みや、賢く節税・節約する方法がいくつも存在します。
この記事では、国民健康保険料が決まる仕組みから、誰でも実践できる合法的な負担軽減策、そして万が一支払いが苦しくなった時の対処法まで、詳しく解説します。この記事を読めば、あなたの家計を守るための具体的な一歩が見つかるはずです。
1. なぜ国民健康保険は「高い」と感じるのか?
そもそも、なぜ国民健康保険はこれほどまでに高く設定されているのでしょうか。まずはその正体を知ることから始めましょう。
会社員との決定的な違い
会社員が入る「健康保険(社会保険)」の場合、保険料の半分は会社が負担してくれます(労使折半)。しかし、国民健康保険は全額が自己負担です。この時点で、実質的な負担感は会社員時代の2倍になります。
扶養という概念がない
社会保険には、家族を養う「扶養」の仕組みがあり、何人家族であっても被保険者本人の保険料は変わりません。しかし、国保には扶養がありません。世帯人数が増えれば増えるほど、人数分の「均等割」が加算されるため、家族が多い世帯ほど負担が重くなる構造になっています。
前年の所得がベースになる
国保の保険料は、前年の1月〜12月の所得をもとに計算されます。そのため、退職直後で現在の収入が減っていても、前年にしっかり稼いでいた場合は、当時の所得に基づいた高額な請求が届いてしまうのです。
2. 国民健康保険料を安くするための4つの具体的対策
高いからといって、ただ払い続けるだけが選択肢ではありません。以下の対策を検討することで、年間で数万〜数十万円単位の節約ができる可能性があります。
① 「任意継続」と比較する(退職直後の方)
会社を辞めた際、すぐに国保に加入するのではなく、元の会社の健康保険を継続する「任意継続」という選択肢があります。
国保: 前年の所得によって上限が変わる。
任意継続: 本人負担は2倍になるが、保険料に上限設定がある場合が多い。
特に高年収だった方は、任意継続の方が安くなるケースが多々あります。お住まいの自治体の国保シミュレーションと、会社の健保の任意継続額を必ず比較しましょう。
② 「国民健康保険組合」への加入を検討する
特定の職種(美容師、建設業、医師、デザイナー、文筆家など)に従事している場合、自治体の国保ではなく「国民健康保険組合(国保組合)」に加入できることがあります。
国保組合の最大のメリットは、**「所得に関わらず保険料が一定(定額制)」**であるケースが多いことです。収入が増えれば増えるほど、自治体の国保より組合の方が圧倒的に安くなるため、フリーランスの方は自分の職種に該当する組合がないか探してみる価値が大いにあります。
③ 世帯分離を活用する
二世帯住宅や同居している親族がいる場合、住民票上の世帯を分ける「世帯分離」を行うことで、保険料が安くなる場合があります。
国保は世帯ごとに計算されますが、所得の低い家族を別世帯にすることで、その世帯に軽減措置(7割・5割・2割軽減など)が適用される可能性があるからです。ただし、介護保険料や他の行政サービスへの影響もあるため、慎重な検討が必要です。
④ 確定申告で「課税所得」を徹底的に抑える
個人事業主にとって、国保を安くする最も本質的な方法は、計算の元となる「所得」を減らすことです。
青色申告特別控除(最大65万円)を活用する: 帳簿をつけるだけで所得を65万円分差し引けるため、そのまま国保の減額に直結します。
経費を漏れなく計上する: 仕事に関連する支出を正しく計上し、利益(所得)を適切にコントロールしましょう。
小規模企業共済やiDeCoを利用する: これらは「所得控除」になりますが、国保の計算(旧ただし書き所得)においては、自治体によって控除の対象外となる場合があるため注意が必要です。しかし、税金全体の負担を減らす意味では非常に有効です。
3. 支払いが困難な時に活用すべき「減免制度」
「収入が激減して、どうしても保険料が払えない」という事態になったら、放置するのが一番危険です。自治体には必ず、特別な事情がある場合の「減免・猶予制度」が用意されています。
減免が受けられる主なケース
災害に遭った場合: 地震や火災などで財産に大きな損害を受けた。
失業・廃業: 倒産や自己都合退職、病気による廃業などで所得が著しく減少した。
所得の急減: 前年に比べて、今年の所得が一定割合(多くの自治体で3割以上など)減少する見込みがある。
これらの制度は、**「自分から申請しない限り適用されない」**のが鉄則です。納付書が届いて「高い」と思ったら、まずは役所の国保担当窓口へ相談に行きましょう。
4. 損をしないためのポイント:保険料は全額「社会保険料控除」になる
支払った国民健康保険料は、確定申告や年末調整において、全額が「社会保険料控除」の対象になります。
つまり、**「国保を10万円払ったら、その10万円分は所得税や住民税の対象から外れる」**ということです。
自分自身の保険料だけでなく、生計を一にする家族の分を支払った場合も、支払った人の所得から控除できます。所得が高い人が家族分もまとめて支払うことで、世帯全体の所得税・住民税を大きく抑える節税テクニックとしても有効です。
まとめ:正しい知識で「払いすぎ」を防ごう
国民健康保険は、私たちの生活を支える大切な制度ですが、その仕組みを理解していないと、必要以上の負担を背負い続けることになりかねません。
まずは今の保険料が適正か、他の選択肢(任意継続や組合)と比較する。
確定申告を正しく行い、所得を適切に管理する。
困ったらすぐに自治体の窓口へ相談し、減免制度を確認する。
この3ステップを意識するだけで、年間の支出を大きく改善できる可能性があります。まずは手元にある納付書と昨年の確定申告書を照らし合わせ、自分にできる対策がないか確認することから始めてみてください。
もし、具体的な計算方法や「自分の場合はどうなるの?」という疑問があれば、お住まいの市区町村のホームページで「国民健康保険 試算」と検索してみるのが一番の近道です。賢く制度を利用して、無理のない納付計画を立てていきましょう。