70代から考える葬儀代の備え方|家族に負担をかけないための賢い準備と選択肢
「そろそろ身の回りの整理を始めたい」「もしもの時、子供や孫に金銭的な苦労をかけたくない」
70代を迎え、これからの人生をより豊かに、そして穏やかに過ごすために「終活」を意識し始める方は多いものです。中でも、避けては通れないのが「葬儀費用」の準備です。
昔に比べて葬儀の形は多様化していますが、いざその時になると、短期間で大きな決断と支払いを迫られるのが現実です。何の準備もないままでは、残された家族が悲しみの中で経済的な不安を抱えることになりかねません。
この記事では、70代からでも無理なく始められる葬儀代の備え方について、具体的な対策とそれぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。家族への思いやりを形にし、自分自身も安心して毎日を過ごすためのヒントを見つけていきましょう。
葬儀代の備えが必要な「本当の理由」
なぜ、70代のうちに葬儀代を明確に準備しておく必要があるのでしょうか。それは、亡くなった直後の「お金の動き」に落とし穴があるからです。
銀行口座が凍結されるリスク
ご本人が亡くなったことを銀行が把握すると、その口座は一時的に凍結されます。相続手続きが完了するまで、たとえ葬儀費用であっても自由にお金を引き出すことは難しくなります。家族が立て替えをする必要が生じ、それが原因で親族間のトラブルに発展するケースも少なくありません。
精神的なゆとりを家族に残す
葬儀は突然やってきます。慌ただしい中で、数十万、数百万円という支払いをどう工面するか考えるのは、遺族にとって大きな負担です。「このお金を葬儀に使ってほしい」という明確な道筋があるだけで、家族は心穏やかに最後のお別れに専念できます。
70代からの葬儀代の備え|代表的な4つの方法
葬儀代を準備する方法は、貯蓄だけではありません。それぞれの特徴を理解し、ご自身のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
1. 終身保険(一生涯保障の死亡保険)の活用
70代からでも加入できる「終身保険」は、葬儀代の備えとして最もポピュラーな手段の一つです。
メリット: 万が一の際、受取人が速やかに保険金を受け取れるため、葬儀費用の支払いに直結させやすいのが特徴です。また、支払った保険料以上の金額が保険金として支払われるプランもあり、効率的に準備できます。
注意点: 年齢が高くなるほど月々の保険料は高くなります。健康状態に不安がある場合は、告知が緩やかな「引受基準緩和型」を検討することになります。
2. 葬儀保険(少額短期保険)
「葬儀代だけに特化した保障が欲しい」という方に選ばれているのが、いわゆる葬儀保険です。
メリット: 一般的な生命保険に比べて加入のハードルが低く、80代でも新規加入できるものが多いです。保険金額も50万円〜300万円程度と、葬儀代にちょうど良いサイズで設定できます。
注意点: 多くの場合は掛け捨て型であり、年齢とともに保険料が上がっていくプランが一般的です。「いつまで払い続けるか」のシミュレーションが重要になります。
3. 葬儀社の「事前相談」と「会員制度」
具体的な葬儀の形を決めておくことで、必要な金額を確定させる方法です。
メリット: 事前相談をすることで、自分らしい葬儀の形(家族葬、一日葬など)を決められ、費用の見積もりも取れます。会員になることで、葬儀代そのものが割引になる特典を受けられることも多いです。
注意点: その葬儀社が倒産した場合のリスクや、心変わりして別の場所で葬儀を行いたくなった際の手続きなどを確認しておく必要があります。
4. 預貯金の「専用化」
シンプルに現金で残す方法ですが、一工夫が必要です。
メリット: いつでも手元にある安心感があり、保険料のような手数料もかかりません。
注意点: 先ほど述べた「口座凍結」の問題があります。対策として、配偶者や子供と共有の認識を持ち、もしもの時に一定額を引き出せる「預貯金の仮払い制度」などの知識を共有しておくことが不可欠です。
近年の葬儀事情:70代が知っておくべき「費用の相場」
「葬儀には数百万円かかる」というイメージをお持ちかもしれませんが、最近は価値観の変化により選択肢が広がっています。
家族葬: 親族や親しい友人のみで行うスタイル。会葬者が少ない分、飲食費などの変動費を抑えられますが、お布施や式場使用料などの固定費は一定額かかります。
一日葬: 通夜を行わず、告別式のみを一日で行うスタイル。体力的、経済的な負担を軽減したい方に選ばれています。
直葬(火葬式): 儀式を行わず、火葬のみを行う最もシンプルな形です。
自分の希望を家族に伝えておくだけでも、無駄な出費を抑える大きな助けになります。
失敗しないための「備え」の優先順位
70代の方がこれから準備を始めるなら、以下の順番で検討することをおすすめします。
希望する葬儀の形を決める: 誰を呼びたいか、どんな雰囲気で見送られたいかをイメージします。
予算を把握する: その形を実現するのに「いくら必要か」を見積もります。
資産状況を照らし合わせる: 今ある貯蓄で足りるのか、保険を活用して上乗せするのかを判断します。
家族に共有する: どこに、何のための、どのお金があるのかをエンディングノートなどに記しておきます。
70代からの保険選び:健康状態が不安な時は?
「持病があるから保険は無理」と思い込んでいる方も多いですが、最近の保険商品は多様化しています。
持病があっても入りやすい保険: 3つ程度の簡単な質問に答えるだけで加入できるタイプがあります。
無選択型保険: 健康状態の告知が一切不要なタイプです。ただし、加入から一定期間は災害死以外の保険金が制限されるなどの条件があるため、内容をしっかり比較することが大切です。
まとめ:備えがあるからこそ、今を自由に生きられる
葬儀代の準備は、決して「死」を待つための後ろ向きな作業ではありません。むしろ、自分がいなくなった後の不安を解消し、大切な人たちへの責任を果たすための、前向きな「人生の整理」です。
金銭的な道筋をしっかり立てておくことで、これからの日々をより軽やかに、趣味や旅行、家族との団らんに集中して楽しむことができるようになります。
まずは、身近な方と「これからのこと」を少しずつ話し合ってみることから始めてみませんか?その小さな一歩が、あなたとご家族に、計り知れない安心をもたらしてくれるはずです。
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