七回忌・十三回忌|仏壇へのお供え物と飾りの選び方マナー
故人を偲び、ご供養を行う法要は、回数を重ねるごとにご遺族の心に安らぎをもたらす大切な時間です。七回忌や十三回忌ともなると、故人が亡くなられてから年月が経ち、ご遺族も少しずつ心の整理がつき始める頃かもしれません。
しかし、「仏壇へのお供え物は何がいいの?」「飾り付けにもマナーがあるの?」と、改めて疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。故人への感謝と敬意を表すためにも、適切な準備をして法要を迎えたいですよね。
この記事では、七回忌や十三回忌の仏壇へのお供え物や飾りの選び方について、具体的な品物やマナー、注意点まで詳しく解説します。心を込めたご供養のために、ぜひ参考にしてください。
1. 法要の基本を押さえよう:七回忌・十三回忌とは?
七回忌や十三回忌は、「年忌法要」と呼ばれる仏事の一つです。故人が亡くなった日から数えて何年目に行うかが決まっており、ご遺族や親族が集まって故人の冥福を祈り、供養します。
七回忌: 故人が亡くなってから満6年目に行う法要です。
十三回忌: 故人が亡くなってから満12年目に行う法要です。
一般的に、回忌を重ねるごとに規模は小さくなる傾向にありますが、故人への感謝の気持ちを伝える大切な機会であることに変わりはありません。
2. 仏壇へのお供え物:故人を偲ぶ心の品
仏壇へのお供え物は、「五供(ごくう)」という考え方が基本になります。これは、香(お線香)、花(供花)、灯燭(ろうそく)、浄水(水やお茶)、飲食(食べ物)の5つを指します。法要の際には、この五供を意識して品物を選ぶと良いでしょう。
慶弔どちらにも使える!定番のお供え物
お線香・ろうそく:
消耗品であり、供養の基本となるため、どなたにも喜ばれます。良い香りのものや、煙の少ないタイプなど、故人が好きだったものやご遺族の好みに合わせて選びましょう。セットになったものも多く、贈りやすいです。
供花(くげ):
故人が好きだった花や、日持ちのする花を選びましょう。トゲのあるバラや、毒のある花、香りの強い花、鉢植えの花(「根付く」が忌まわしいとされる)は避けるのがマナーです。菊やカーネーション、ユリなどが一般的です。
水・お茶:
故人が生前好きだった飲み物をお供えしましょう。毎日の供養に欠かせないものです。
故人の好物だった食べ物:
故人が好きだったお菓子、果物、飲み物などをお供えするのも良いでしょう。故人を偲ぶ気持ちが伝わります。
個包装で分けやすいお供え物
ご遺族が法要後にお供え物を持ち帰ったり、参列者に分けたりする可能性があるため、日持ちがして個包装されているものを選ぶと親切です。
焼き菓子・和菓子: クッキー、マドレーヌ、羊羹、おかきなど。
果物: 季節の果物や、日持ちのするリンゴ、ミカンなど。
飲み物: ジュース、コーヒー、お茶のパックなど。
避けるべきお供え物
肉や魚(五葷): 殺生を連想させるため、仏壇へのお供え物としては避けるのが一般的です。
にんにく、ねぎ、ニラなど匂いの強いもの(五辛): これらも仏教の教えでは避けるべきとされています。
生物や傷みやすいもの: 法要の間に傷んでしまわないよう、日持ちのしない生菓子や生ものは避けましょう。
お酒: 基本的には避けます。故人が生前好きだった場合は、ご遺族に相談してから少量をお供えする程度に留めましょう。
派手すぎるもの: 仏壇の雰囲気に合わない、派手な色合いやデザインのものは避けましょう。
3. 法要時の仏壇の飾り方:シンプルさが大切
法要の際の仏壇の飾り付けは、故人への敬意を表し、法要の厳かな雰囲気を保つために重要です。基本的な飾り付けのポイントを押さえましょう。
基本の配置
ご本尊(仏像や掛け軸): 仏壇の中央に配置します。
位牌(いはい): ご本尊の手前に、故人の位牌を配置します。
供花: 花立に生け、左右一対に飾るのが基本ですが、スペースがなければ片方だけでも構いません。
ろうそく立て・香炉・おりん: ろうそく立ては中央、香炉はろうそく立ての手前、おりんはその手前右側に配置するのが一般的です。
仏飯器(ぶっぱんき)と茶湯器(ちゃとうき): ご飯と水(またはお茶)を入れる器で、位牌の手前に配置します。
高坏(たかつき)など: 果物やお菓子を置くための器は、その手前や左右に配置します。
清潔さとシンプルな美しさ
常に清潔に保つ: 法要の前には、仏壇の周りをきれいに掃除し、花立の水も新しくしましょう。
シンプルに飾る: ごちゃごちゃと飾りすぎず、必要なものをきちんと配置することが大切です。故人への敬意が伝わる、整然とした飾り付けを心がけましょう。
生花を飾る: 造花ではなく、新鮮な生花を飾ることが望ましいです。
七回忌・十三回忌ならではのポイント
回忌を重ねるにつれて、飾る供物の数は減らしていく傾向にあります。無理にたくさんお供えするよりも、故人が好きだったものを厳選したり、普段から丁寧に供養している姿勢が大切です。
故人が好きだったものを中心に: 生前の故人の好みに合わせて、お供え物を絞り込むのも良いでしょう。
ご遺族の意向を尊重: 法要の主催者であるご遺族の考え方や、地域の習慣によって異なる場合もあります。もし可能であれば、事前に確認しておくと安心です。
4. 訪問時の「のし」と「渡し方」マナー
法要に参列する際、お供え物には「のし」をかけ、適切な方法で渡しましょう。
のしの選び方と書き方
水引: 黒白または双銀の結び切りを選びます。何度も繰り返さないという意味合いがあります。
表書き: 一般的には「御供(おそなえ)」「御供物(おそなえもの)」「御仏前(ごぶつぜん)」などが使われます。法要の回数(七回忌、十三回忌など)を記載する必要はありません。
名前: 水引の下に、贈り主の氏名をフルネームで記入します。連名の場合は右から目上の順に記入し、3名以上の場合は代表者の名前を中央に書き、「他一同」や「他〇名」と記載し、半紙などに全員の名前を書いて同封します。
渡し方
施主への挨拶と同時に: 法要会場に到着し、施主(ご遺族)へ挨拶をするタイミングで渡すのが一般的です。「御仏前にお供えください」と一言添えて手渡しましょう。
袱紗(ふくさ)を使用する: 現金を包む不祝儀袋と同様に、お供え物にかけるのし紙も、袱紗に包んで持参するとより丁寧な印象を与えます。
直接仏壇には置かない: 施主の許可なく、自分で勝手に仏壇にお供え物を置くのはマナー違反です。必ず施主に渡しましょう。
まとめ:故人への敬意とご遺族への配慮を大切に
七回忌や十三回忌での仏壇へのお供え物や飾り付けは、故人への変わらぬ敬意と感謝の気持ちを表す大切な行為です。
タブーとされる色を避け、故人が喜ぶような品物を選び、仏壇をシンプルに整えることで、厳かで心温まる法要の空間が生まれます。
また、ご遺族への配慮を忘れず、適切な「のし」と渡し方を心がけることで、あなたの真心が伝わることでしょう。これらのマナーを参考に、故人を偲ぶ大切な時間を穏やかに過ごしてください。