人工授精後の軽い出血、これって大丈夫?原因と知っておきたい3つのこと
人工授精(AIH)を受けた後、
「あれ?少し出血があるけど、これって大丈夫なの?」
と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インターネットで調べると色々な情報が出てきて、かえって混乱してしまうこともありますよね。
結論から言うと、人工授精後のごく少量の出血は、比較的よくあることで、ほとんどの場合は心配のないものです。しかし、なぜ出血が起こるのか、どんな場合に注意が必要なのかを知っておくことは、あなたの不安を和らげる上でとても大切です。
この記事では、人工授精後に起こる出血の主な原因と、知っておきたい3つのことについて、分かりやすく解説します。
1. 人工授精後の出血、その主な原因は?
人工授精は、細いカテーテル(管)を使って精子を子宮内に直接注入する処置です。その際に、以下のような理由でごくわずかな出血が起こることがあります。
カテーテルによる子宮頸部の刺激
精子を注入するために、カテーテルが子宮の入り口(子宮頸部)を通過します。子宮頸部はとてもデリケートな部分なので、カテーテルが少し触れただけでも、毛細血管が傷つき、少量出血することがあります。 これは、内診や性交後に出血するのと同じようなメカニズムで起こるもので、全く心配のないケースです。
排卵に伴う出血
人工授精は、通常、排卵のタイミングに合わせて行われます。排卵時に卵胞(卵子が入っていた袋)が破れることで、**少量の出血(排卵出血)**が起こることがあります。出血のタイミングが人工授精と重なるため、人工授精が原因だと感じてしまうことがありますが、これは自然な生理現象の一つです。
着床による出血
これは、少し先の可能性ですが、人工授精が成功し、受精卵が子宮内膜に着床する際に、ごく少量の出血が起こることがあります。いわゆる**「着床出血」**です。この出血は、人工授精から1週間後〜10日後頃に起こることが多いです。
2. 知っておきたい3つのこと:どんな時に注意が必要?
ほとんどの人工授精後の出血は心配ありませんが、以下のような場合は、注意が必要です。
①出血が「多い」と感じる時
ナプキンを何度も交換しなければならないほどの量だったり、鮮血が続く場合は、単なる刺激による出血ではない可能性があります。
②痛みを伴う時
強い腹痛や腰痛を伴う出血は、子宮外妊娠などの別の原因が考えられるため、すぐに医師に相談してください。
③出血が長引く時
数日で出血が治まるのが一般的ですが、1週間以上続く場合や、だんだん量が増えるような場合は、一度クリニックに連絡しましょう。
3. 不安な気持ちをどうしたらいい?
人工授精後のデリケートな時期に、出血という予期せぬ出来事が起こると、誰でも不安になりますよね。
一人で抱え込まず、クリニックに相談する
些細なことだとためらわずに、まずは電話で状況を伝えてみましょう。専門家である医師や看護師に話すことで、不安が和らぎます。
体を温めてリラックスする
不安な気持ちで体を冷やさないよう、温かい飲み物を飲んだり、ゆっくりお風呂に入ったりして、心身ともにリラックスすることを心がけましょう。
ネットの情報を鵜呑みにしない
同じような経験談を探したくなる気持ちは分かりますが、人それぞれ状況は異なります。不安を煽るような情報に振り回されず、必ずかかりつけの医師に相談してください。
まとめ:あなたの体はとても頑張っています
人工授精後の出血は、ほとんどが心配のないものです。
カテーテルによる刺激や、排卵による自然な現象であることが多いということを知っておくだけでも、少し安心できたのではないでしょうか。
不安な気持ちになったら、一人で悩まずに、まずはクリニックに連絡してください。
そして、この時期を頑張っているご自身の体を労ってあげてくださいね。