人工授精(AIH)ってどんな治療?痛みはどれくらい?~気になる疑問を解決!~
「人工授精(AIH)」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどんな治療なのか、そして一番気になる「痛み」について、詳しく知りたいですよね。
この記事では、人工授精の基本的な流れから、気になる痛み、そしてメリット・デメリットまで、分かりやすく解説していきます。妊活中の方や、これから人工授精を考えている方の疑問を解消できるよう、専門的な情報も交えながら、親しみやすい言葉でご説明しますね。
人工授精(AIH)って、そもそも何?
人工授精とは、不妊治療の一つで、精子を直接、女性の子宮内に注入する方法です。
自然妊娠では、性交渉によって膣内に射出された精子が、子宮を通過して卵管までたどり着き、そこで卵子と出会って受精します。しかし、精子の数が少なかったり、運動率が低かったりする場合、あるいは子宮頸管の粘液に問題がある場合など、精子が卵子にたどり着くのが難しいケースがあります。
人工授精では、精子を採取し、洗浄・濃縮して運動能力の高い精子を選び出します。そして、細いカテーテル(管)を使って、卵子のある卵管の近くまで、直接精子を届けるのです。
「人工」という言葉がつくと、なんだか大掛かりな手術のように聞こえるかもしれませんが、実際には、受精から着床、そして妊娠に至るまでの過程は、自然妊娠と全く同じです。精子が卵子と出会う「きっかけ」を、医療の力で少しだけお手伝いする、そんなイメージですね。
人工授精の基本的な流れ
人工授精は、一般的に以下のような流れで行われます。
月経周期の確認と排卵誘発
月経が始まって数日以内にクリニックを受診し、超音波検査などで卵胞の育ち具合を確認します。
必要に応じて、排卵誘発剤(飲み薬や注射)を使用して、卵子を成熟させ、排卵を促します。
排卵日の特定と人工授精の予約
超音波検査やホルモン検査などで排卵日を予測し、人工授精を行う日を決定します。
精子を採取する日、および人工授精を行う日を予約します。
精子の採取と調整
人工授精当日に、パートナーに精子を採取してもらいます(自宅で採取して持参する場合もあります)。
採取された精子は、研究所で洗浄・濃縮され、運動能力の高い精子だけを選び出します。この処理で、精子と卵子が出会う確率を高めます。
人工授精の実施
女性は内診台に上がり、医師が細くてやわらかいカテーテルを使って、調整された精子を子宮内に注入します。
処置自体は数分で終わります。
処置後の安静と確認
処置後、数分間安静にします。
必要に応じて、妊娠をサポートするための注射や薬が処方されることもあります。
後日、超音波検査などで排卵や妊娠の兆候を確認します。
人工授精の「痛み」はどれくらい?~経験者の声から~
人工授精の痛みについて、多くの方が不安に感じていることでしょう。結論から言うと、「ほとんど痛みを感じない」という人が多いです。しかし、中には「生理痛のような痛みがあった」「チクッとした痛みを感じた」という経験談もあります。
なぜ痛みを感じることがあるの?
カテーテル挿入時の圧迫感や刺激: 細いカテーテルを子宮内に挿入する際に、わずかな圧迫感やチクッとした痛みを感じることがあります。これは、子宮頸部が敏感な方や、カテーテルの挿入が少し難しい場合に起こりやすいようです。
子宮の収縮: 精液に含まれるプロスタグランジンという物質が子宮を収縮させ、それが痛みとして感じられることがあります。ただし、人工授精で使う精子は洗浄・濃縮されているため、プロスタグランジンの量が減っており、痛みが軽減されています。
精神的な緊張: 「痛いのではないか」という不安から、体が緊張してしまい、痛みを感じやすくなることもあります。
経験者の声
「生理痛のような鈍い痛みがあったけれど、すぐに治まった」
「カテーテルが入るときに一瞬チクッとしたけれど、すぐに終わった」
「全く痛みは感じなかった。むしろ、リラックスしていたらあっという間だった」
「子宮の入り口が少し狭いと言われ、器具で少し引っ張られたときに痛みを感じた」
このように、痛みの感じ方には個人差が大きいようです。多くのクリニックでは、やわらかいカテーテルを使用し、丁寧に処置を行うことで、痛みを最小限に抑える工夫をしています。もし痛みが心配な場合は、事前に医師に相談してみると良いでしょう。リラクゼーション法などを事前に学んでおくのも、心の準備として役立つかもしれません。
人工授精のメリット・デメリット
人工授精には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
自然妊娠に近い: 受精以降のプロセスは自然妊娠と同じなので、心理的な負担が比較的少ないと言えます。
身体への負担が少ない: 処置時間が短く、身体への負担は軽微です。通院のストレスも少なくて済みます。
費用が比較的抑えられる: 体外受精などの高度な不妊治療に比べて、保険適用される場合もあり、費用を抑えられます。
タイミング法より妊娠成功率が高い: タイミング法よりも、精子と卵子が出会う確率が高まります。1回あたりの成功率は5~10%程度と言われています。
適応範囲が広い: 軽度の男性不妊や、原因不明の不妊、子宮頸管粘液に問題がある場合など、幅広いケースに適用できます。
デメリット
成功率が体外受精より低い: 1回の成功率は5~10%程度であり、複数回の治療が必要になることがあります。
不妊の原因によっては効果が限定的: 重度の男性不妊や、卵管が閉塞している場合など、原因によっては人工授精の効果が期待できないことがあります。
排卵誘発剤の使用によるリスク: 排卵誘発剤を使用した場合、多胎妊娠(双子や三つ子など)の確率が上がる可能性があります。
感染症のリスク(まれ): カテーテル挿入時に、ごくまれに雑菌が子宮内に入り、感染を引き起こすリスクがあります。
まとめ
人工授精は、自然妊娠に近い形で妊娠を目指せる、身体への負担も比較的少ない不妊治療法です。痛みについても、ほとんど感じない方が多いですが、個人差があることを理解しておきましょう。
もし人工授精を検討されているのであれば、まずはクリニックで医師に相談し、ご自身の状況に合った治療法であるか、メリット・デメリット、そして費用などをしっかり確認することが大切です。
妊活は、心身ともに大変なこともありますが、正しい情報を得て、一歩ずつ進んでいくことが、妊娠への近道となるはずです。応援しています!