後期高齢者医療保険料が「高い」と感じたら確認したい!仕組みと負担を軽くする具体的な対策
75歳を迎えると加入する「後期高齢者医療制度」。現役時代や定年前後とは異なる仕組みに、「急に保険料の負担が増えた気がする」「どうしてこんなに高いの?」と不安や悩みを感じている方も少なくありません。
毎月の年金から天引きされる金額を見て、生活への影響を心配するのは当然のことです。実は、後期高齢者医療保険料には、所得に応じた軽減措置や、世帯状況による減免の仕組みがしっかりと用意されています。
この記事では、後期高齢者医療保険料がどのように決まるのかという基本から、知っておくだけで負担を抑えられる具体的な対策までを、専門用語を避けながら分かりやすく解説します。
1. 後期高齢者医療保険料の仕組み:なぜ人によって金額が違うのか?
後期高齢者医療保険料は、全国一律ではなく、お住まいの都道府県(広域連合)ごとに決められた「保険料率」に基づいて計算されます。金額を決定する要素は、大きく分けて2つあります。
均等割額(きんとうわりがく)
加入者全員が等しく負担する「基本料金」のようなものです。世帯の人数や所得に関わらず、1人あたりいくらという定額が設定されています。
所得割額(しょとくわりがく)
その人の「所得」に応じて負担する金額です。前年の所得(年金収入から控除を引いた額など)に、一定の率を掛けて算出されます。
これらを合計したものが年間の保険料となりますが、家計への負担が大きくなりすぎないよう、1年間の支払いには「賦課限度額(上限)」が設けられています。
2. 保険料を安く抑えるための「軽減措置」とは?
「年金が少ないのに、保険料が同じなのは困る」という声に応えるため、所得の低い世帯には自動的、あるいは申請によって保険料が安くなる仕組みがあります。
均等割額の軽減(最大7割減)
世帯主と加入者全員の所得の合計が基準以下の場合、均等割額(基本料金部分)が7割・5割・2割のいずれかの割合で軽減されます。
7割軽減: 非常に所得が低い世帯(年金収入のみの場合、1人世帯で約153万円以下などが目安)
5割・2割軽減: 一定の所得基準を超えない世帯
この軽減は、自治体が所得を把握していれば原則として自動的に適用されます。ただし、所得の申告をしていない場合は対象外となることがあるため、収入がない場合でも「住民税の申告」をしておくことが重要です。
元・被扶養者(ひふようしゃ)への優遇
75歳になる直前まで、お子さんや配偶者の「会社の健康保険(被用者保険)」の扶養に入っていた方は、大きな優遇があります。
所得割額: 当面の間、かかりません。
均等割額: 制度加入から2年間に限り、5割軽減されます。
※国民健康保険の加入者だった方は、この特定の優遇措置の対象外となります。
3. 実践!家計の負担を減らすための具体的な3つの対策
「もう決まった金額だから仕方ない」と諦める前に、以下の対策が自分に当てはまるか確認してみましょう。
① 確定申告で「社会保険料控除」を正しく受ける
支払った後期高齢者医療保険料は、全額が所得税や住民税の「社会保険料控除」の対象になります。
年金天引きの場合: 本人の所得から控除されます。
口座振替に変更した場合: その保険料を実際に支払った人(例えば同居のご家族)の所得から控除することができます。
ご家族の中で所得が高い人が支払う形にすれば、世帯全体の税負担が大きく減り、結果として家計にプラスになるケースがあります。
② 医療費控除と高額療養費制度の活用
保険料そのものを下げる方法ではありませんが、実質的な医療負担を減らすために不可欠です。
1年間の医療費(薬代や通院交通費含む)が一定額を超えた場合、確定申告で「医療費控除」を受けられます。また、1ヶ月の窓口負担が高額になった場合は「高額療養費制度」により、限度額を超えた分が後から払い戻されます。
③ 自治体独自の「減免制度」をチェックする
災害に遭った、失業や病気で所得が激減した、あるいは生活困窮状態にあるといった特別な事情がある場合、申請によって保険料が免除されたり、支払いが猶予されたりすることがあります。
これらは自治体(市区町村の窓口)へ相談・申請が必要なケースがほとんどですので、「どうしても支払いが厳しい」と感じたら、まずは相談窓口へ足を運んでみましょう。
4. 窓口負担割合(1割・2割・3割)はどう決まる?
保険料とは別に、病院の窓口で支払う「自己負担割合」も所得によって決まります。
| 所得区分 | 負担割合 | 主な条件(年金収入+所得の目安) |
| 一般所得者 | 1割 | 所得が一定基準以下の方 |
| 一定以上所得者 | 2割 | 単身で年収200万円以上、夫婦で合計320万円以上など |
| 現役並み所得者 | 3割 | 課税所得が145万円以上の方など |
この割合は、毎年8月に前年の所得をもとに更新されます。所得が下がった場合は、負担割合も下がる可能性があるため、通知書の内容をしっかり確認しましょう。
5. まとめ:賢い備えで安心した老後生活を
後期高齢者医療保険料は、制度を維持し、私たちが安心して医療を受け続けるための大切な財源です。しかし、無理をして生活を圧迫させる必要はありません。
自分の世帯が軽減対象になっていないか確認する
収入がなくても所得の申告を忘れずに行う
家族間での支払い方法を検討し、節税につなげる
これらのポイントを押さえるだけで、年間の支出に大きな差が出ます。まずは、自治体から届く「保険料決定通知書」を手に取って、自分の保険料の内訳をチェックすることから始めてみてください。
わからないことがあれば、お住まいの市区町村の「後期高齢者医療制度 担当窓口」へ電話してみるのも一つの手です。親身になって、利用できる軽減制度を教えてくれますよ。