社会保険料と賞与の「手取り最大化」ガイド!ボーナスから引かれる金額を賢く抑える秘策
「やっとボーナスだ!」と喜んだのも束の間、明細を見て「えっ、こんなに引かれるの?」と驚いた経験はありませんか?額面は大きいのに、実際に振り込まれる手取り額が思ったより少なくてガッカリするのは、会社員共通の悩みですよね。
特に**社会保険料(健康保険・厚生年金保険)**は、賞与の金額に比例して高くなるため、事前の知識があるかないかで将来的な資産形成や目先の手取り感に大きな差が出ます。
この記事では、賞与にかかる社会保険料の計算仕組みから、法的に認められた「手取りを増やす具体的な対策」まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
1. なぜ賞与から多額の社会保険料が引かれるのか?
そもそも、なぜボーナスからこれほどまでに保険料が引かれるのでしょうか。以前は賞与に対する保険料は定額、あるいは非常に安く設定されていましたが、現在は**「総報酬制」**という仕組みが導入されています。
総報酬制の仕組み
これは、毎月の給与だけでなく、賞与も含めた年間の総収入に対して保険料を課す仕組みです。
健康保険料・介護保険料
厚生年金保険料
雇用保険料
これらが、賞与の額面(1,000円未満切り捨て)に対して、決められた料率で計算されます。
注意すべき「上限額」
実は、社会保険料には「これ以上は引かれない」という上限が設定されています。
健康保険: 年度累計で573万円まで
厚生年金: 1回あたり150万円まで
この上限を知っておくことは、高所得層や節税・節保険料を考える上で非常に重要なポイントとなります。
2. 賞与の社会保険料を「合法的に」安くする方法
「決まった料率なら、安くするのは無理では?」と思うかもしれません。しかし、日本の制度を正しく理解すれば、手元に残るお金を増やす方法はいくつか存在します。
① 4月〜6月の残業を減らす(標準報酬月額との関係)
直接的に賞与の保険料率を変えるわけではありませんが、社会保険料全体を抑える鉄則です。
多くの人が勘違いしやすいのですが、毎月の社会保険料は「4月、5月、6月の給与」で決まります(定時決定)。この時期に仕事を詰め込みすぎると、1年間ずっと高い保険料を支払うことになり、結果として年間の可処分所得が減ってしまいます。
② 賞与の支払いタイミングと「月末退職」の罠
退職を考えている場合、タイミング一つで社会保険料負担が劇的に変わります。
社会保険料は「月末に在籍しているかどうか」で判断されます。
15日退職: その月の社会保険料はかかりません。
月末退職: その月の社会保険料が発生します。
賞与支給月に月末を跨がずに退職した場合、賞与からの社会保険料徴収が発生しないケースがあります。ただし、これは年金の加入期間や健康保険の切り替え時期にも影響するため、慎重なシミュレーションが必要です。
③ 確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の活用
賞与の一部を「拠出金」として積み立てることで、その分を社会保険料の計算対象から外すことができる場合があります。これは「選択制確定拠出年金」を導入している企業で有効な手段です。
将来のための積立をしながら、今支払う保険料を削減できるため、非常にお得な仕組みと言えます。
3. 育児休業期間中の「免除制度」をフル活用する
現在、最も強力な社会保険料の削減策は**「育休中の保険料免除」**です。
育児休業期間中は、本人負担分だけでなく、会社負担分の社会保険料も免除されます。しかも、この期間中の将来の年金受給額は「払ったもの」として計算されるという、非常に手厚い制度です。
改正によるメリット(短期育休でもチャンス)
近年の法改正により、賞与月における免除のルールが明確化されました。
月末に育休を取得している場合、その月の給与の保険料が免除。
賞与にかかる保険料については、1ヶ月を超える育休を取得した場合に免除となります。
パパ育休(産後パパ育休)などを賞与時期に合わせて取得することで、数十万円単位の社会保険料を浮かせることも可能です。
4. 社会保険料を抑える際の「メリットとデメリット」
手取りを増やすことは魅力的ですが、社会保険料を安くすることには副作用もあります。バランスを考えることが重要です。
メリット
即座に手取り額が増える: 自由に使える現金が増えます。
会社側の負担も減る: 社会保険料は労使折半のため、会社にとってもコストカットになり、賞与原資の維持につながる可能性があります。
デメリット(注意点)
将来の年金額が減る可能性: 厚生年金保険料を抑えると、将来受け取る老齢厚生年金の額がわずかに減少します。
傷病手当金・出産手当金の減額: 万が一の際にもらえる手当金は、直近の標準報酬月額をベースに計算されるため、極端に下げすぎると保障が手薄になります。
5. 企業が導入できる改善策:社会保険料の適正化
個人だけでなく、経営者や人事担当者にとっても、賞与と社会保険料の関係は重要です。
賞与の「回数」による調整
年3回までの賞与は「賞与」として扱われますが、年4回以上支給すると「標準報酬月額(毎月の給与扱い)」に算入されます。この性質を利用して、支給形態を工夫することで、会社と従業員双方の負担を最適化するコンサルティング手法も存在します。
福利厚生制度の充実
直接的な現金支給としての賞与だけでなく、非課税枠や社会保険料がかからない形での福利厚生(社宅制度や食事補助など)を充実させることで、実質的な満足度を高めつつ、法定福利費を抑えることが可能です。
6. まとめ:賢い知識が「手取りの差」になる
「社会保険料は税金のようなものだから諦めるしかない」と思っていませんでしたか?
実際には、以下のような対策で手取り額をコントロールすることが可能です。
上限額の意識: 高額賞与の場合は上限設定を理解する。
制度の活用: 育休免除や確定拠出年金を活用して、計算の基礎となる金額を下げる。
タイミングの検討: 退職や入社の時期、残業時間のコントロール。
社会保険料は、一度仕組みを理解してしまえば、一生使える知識となります。ボーナス時期が来る前に、一度ご自身の会社の就業規則や利用できる制度をチェックしてみてください。
「手取り最大化」への第一歩は、まず自分の明細を正しく読み解くことから始まります。浮いたお金を投資や自己研鑽に回すことで、さらに豊かな生活を目指しましょう。