人工授精後の軽い発熱は正常か|不安を感じたときの正しい対応
人工授精(AIH:配偶者間人工授精)を受けたあとに、「体が少し熱っぽい」「微熱がある気がする」と感じる方は少なくありません。治療を始めたばかりの方にとっては「これって異常なの?」「妊娠の兆候なのかな?」と不安になる瞬間ですよね。
結論から言うと、人工授精のあとに軽い発熱や体のだるさを感じるのは珍しくない現象です。ただし、発熱の原因にはいくつかの可能性があるため、正常なケースと注意すべきケースを知っておくことが大切です。
人工授精後に発熱する主な原因
1. ホルモン変化による体温上昇
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排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、基礎体温が自然に高温期に入ります。
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この影響で 37℃前後の微熱状態 が続くことがあり、妊活中の女性にはよく見られる現象です。
2. 精子注入による軽い体の反応
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カテーテルを用いた処置により、子宮内に軽い刺激が加わることで体が反応し、一時的に熱っぽさを感じることもあります。
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ほとんどは半日~1日程度で落ち着きます。
3. 心理的なストレスや緊張
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「人工授精がうまくいくかどうか」という不安から自律神経が乱れ、熱っぽさや倦怠感が出ることもあります。
注意が必要なケース
一方で、次のような症状がある場合は単なるホルモン反応ではない可能性があります。
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38℃以上の高熱が続く
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下腹部の激しい痛み
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悪寒、強い頭痛、吐き気を伴う
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出血や膿のようなおりものがある
これらは子宮内感染や排卵誘発剤による副作用(卵巣過剰刺激症候群:OHSS)の可能性もあるため、すぐに医療機関へ連絡することが大切です。
正常な発熱との見分け方
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37℃前後で軽い倦怠感のみ → 高温期の生理的な体温上昇の可能性大
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38℃以上・強い症状を伴う → 感染症や合併症の疑い
まとめ
人工授精後の軽い発熱は、多くの場合「黄体ホルモンによる高温期の影響」や「一時的な体の反応」であり、心配はいりません。
ただし、高熱や強い痛みを伴う場合は異常のサインかもしれませんので、早めに病院に相談してください。