人工授精の痛みはどの段階で起こるか|安心して治療を受けるための知識
人工授精(AIH:配偶者間人工授精)は、不妊治療の中でも比較的負担が少ない方法として多くの夫婦が選択しています。ただし、初めて受ける方の中には「痛みがあるのか不安」という声が多くあります。結論から言うと、人工授精で強い痛みを感じることは少ないですが、処置の段階によってチクッとした違和感や軽い生理痛のような症状を感じることがあります。
この記事では、人工授精の流れに沿って「どの段階で痛みを感じやすいのか」をわかりやすく解説します。
人工授精の一般的な流れ
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排卵のタイミングを確認(超音波検査やホルモン値のチェック)
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精子の処理(運動率の高い精子を選別)
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カテーテルで子宮内に精子を注入
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処置後は安静(数分~30分ほど横になって休む)
痛みが起こりやすい段階とその内容
1. 排卵チェック時(経膣エコー検査)
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経膣エコーは細い器具を膣内に挿入して卵胞の大きさを確認します。
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内診に慣れていない方は多少の圧迫感や不快感を覚えることがありますが、強い痛みはほとんどありません。
2. 精子注入のとき(カテーテル挿入)
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一番「痛みがある」と感じやすいのはこの段階。
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細いチューブ(カテーテル)を子宮の奥まで通して精子を注入します。
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個人差はありますが、チクッとした刺激や軽い子宮の収縮感を覚える人がいます。
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子宮口が狭い場合や体質によって、やや痛みを伴うケースもあります。
3. 注入後の子宮の反応
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精子が注入された直後に生理痛のような下腹部の鈍い痛みを感じることがあります。
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多くの場合は数時間以内に自然に治まり、強い痛みや出血はほとんどありません。
痛みが強く出やすいケース
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子宮頸管が曲がっている・狭い
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子宮内膜症や子宮筋腫がある
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緊張で骨盤周囲の筋肉がこわばっている
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膣や子宮頸部が敏感な体質
こうした場合、医師が慎重にカテーテルを操作する必要があり、人によっては痛みを強く感じることもあります。
痛みを和らげるための工夫
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事前にリラックスして深呼吸をする
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痛みが強い場合は医師に伝え、カテーテルを細いタイプに変えてもらう
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鎮痛剤が必要なほどの痛みは稀ですが、不安が強ければ事前に相談できる
まとめ
人工授精の痛みは主に 「カテーテルを子宮に挿入する段階」 で起こることが多いですが、多くの人は「チクッとした程度」または「軽い生理痛のような違和感」で収まります。
強い痛みを伴うことは稀であり、ほとんどの方は安心して受けられる治療です。