🏥 持病・既往症があっても加入できる保険:引受基準緩和型・限定告知型の活用


「過去に大きな病気を患った」「現在、持病で通院・治療中である」といった既往症や持病がある場合、一般的な生命保険や医療保険に加入する際の審査(引受基準)は厳しくなります。しかし、そのような方々でも病気の治療費や将来の死亡保障に備えられるように設計された保険商品が多数存在します。

これらは主に**「引受基準緩和型保険」「限定告知型保険」**と呼ばれ、持病がある方にとって非常に重要な選択肢となります。

ここでは、持病・既往症があっても加入できる保険の種類と、それぞれの特徴、そして注意点を詳しく解説します。


1. 持病があっても入れる保険の主な種類

一般的な保険は健康状態の告知項目が多く審査が厳しいのに対し、これらの保険は引受(加入)の基準を緩くし、告知項目を限定的にすることで、持病のある方の加入を可能にしています。

🔹 ① 引受基準緩和型医療保険(緩和型医療保険)

  • 特徴: 医療保険の一種で、入院や手術の費用に備えることができます。通常の医療保険と比べて、**告知項目が非常に少ない(2〜5問程度)**のが最大の特徴です。

  • 告知内容: 問われるのは主に以下の3〜5つの簡単な項目のみです。

    • 直近3ヶ月以内の入院・手術・検査の予定

    • 過去2年以内の特定疾病(がん、心疾患など)による入院・手術の有無

    • 過去5年以内の特定疾病による治療の有無

  • メリット: 告知項目に該当しなければ、持病の状態に関係なく加入しやすいです。

  • 注意点: 保険料は、一般的な医療保険に比べて割高に設定されています。また、加入後1年間程度は給付金が半額になるなどの制限(削減期間)が設けられていることが多いです。

🔹 ② 限定告知型終身保険(緩和型死亡保険)

  • 特徴: 死亡保険の一種で、残された家族の生活費や整理資金に備えるためのものです。こちらも、告知項目は緩和型医療保険と同様に限定的です。

  • メリット: 亡くなった際に遺族に保険金を残すことができ、終身(一生涯)にわたって保障が続きます。

  • 注意点: 医療保険と同様に、保険料は割高であり、加入後1〜2年間は責任開始期間として保険金額が削減される(全額受け取れない)期間があります。

🔹 ③ 特定疾病保障保険(既往症の種類によっては)

  • 特徴: **特定の病気(がん、心疾患、脳卒中など)**に特化して保障する保険です。

  • メリット: 既往症が保障対象の病気とは関係ない場合や、完治から一定期間(5年など)が経過している場合は、加入できる可能性があります。

2. 一般の保険に「特別条件付き」で加入する

持病があっても、「引受基準緩和型」ではなく、「通常の医療保険」特定の条件を付けて加入できる場合があります。これは、**「謝絶(加入を断られる)」**を避けるための保険会社の対応です。

🔹 特定の部位・疾病の不担保(ふたんぽ)

  • 内容: 保険会社が、既往症と関連性の高い特定の部位や疾病について、一定期間(3年、5年など)または永続的に保障の対象外(給付金が出ない)と定めることです。

  • 事例: 例えば、「胃潰瘍の既往症がある」場合、「胃または十二指腸に関する入院・手術は5年間保障しません」といった条件が付けられます。

  • メリット: 他の健康な部位についての保障は、通常の保険料で受けることができます。

🔹 保険料の割増(割り増し保険料)

  • 内容: 既往症や病状の程度に応じて、通常の保険料に一定の割合を上乗せして支払うことで、保障を受けられるようにする条件です。

  • メリット: 保障の対象外となる部位がなく、全身の保障を一般的な保険で確保できます。

3. 加入を検討する際の重要な注意点

⚠️ 告知は「正確」に行うこと

  • 告知義務違反の回避: 告知書には、現在の健康状態や過去の病歴について正確に申告する義務があります。告知内容に虚偽や誤りがあった場合、保険会社は**「告知義務違反」として契約を解除**し、保険金や給付金が一切支払われない可能性があります。

  • ありのままの申告: 引受基準緩和型であっても、問われている項目に対しては、ありのままを正直に申告することが、将来のトラブルを避けるために最も重要です。

⚠️ 削減期間と待機期間の確認

  • 削減期間: 緩和型保険では、加入後1年間は給付金が半額になるなどの削減期間が設けられていることが多いため、契約内容を必ず確認しましょう。

  • 待機期間: がん保険などでは、加入から一定期間(90日など)は保障が開始されない待機期間があります。この期間中にがんと診断されても給付金は支払われません。

⚠️ 持病の悪化による給付制限

緩和型医療保険では、加入前の持病が原因で入院・手術をした場合でも、告知内容に虚偽がなければ原則として給付金が支払われます。しかし、持病の種類や保険会社によっては制限がある場合もあるため、事前に確認が必要です。

⚠️ 専門家への相談

持病の種類や現在の病状によって、最適な保険商品は異なります。**保険のプロ(ファイナンシャルプランナーなど)**に相談し、複数の保険会社の緩和型商品や特別条件付きの一般保険を比較検討することが、最良の選択を見つける近道です。

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