社会保険加入で手取りはいくら減る?月収8.8万円からのシミュレーションと逆転のメリット


「月収が8.8万円を超えると社会保険に入らなきゃいけないって聞いたけど、結局手取りはいくらになるの?」

「働けば働くほど損をする『働き損』にはなりたくない!」

パートやアルバイトのシフトを増やす際、最も気になるのが**「社会保険料の負担」**ですよね。特に、これまで扶養内で働いていた方にとって、お給料から数万円単位で保険料が引かれるのは大きな衝撃かもしれません。

しかし、社会保険への加入は単なる「手取りの減少」だけではありません。実は、**目先の数万円よりも大きな「将来の安心」と「実質的な収入増」**につながる側面があるのです。

この記事では、月収8.8万円(年収約106万円)を境に手取りがどう変化するのか、具体的なシミュレーションとともに、加入することで得られる「逆転のメリット」を詳しく解説します。


1. 【シミュレーション】月収8.8万円で社会保険に入ると手取りはどうなる?

まずは、多くの人が直面する「月収8.8万円(年収約106万円)」のラインで、実際に引かれる金額を計算してみましょう。

※40歳未満(介護保険料なし)、東京都の協会けんぽの料率(令和5年度以降の目安)を参考に概算します。

項目加入前(扶養内)加入後(本人負担)
月収(総支給額)88,000円88,000円
健康保険料0円約4,400円
厚生年金保険料0円約8,050円
雇用保険料約528円約528円
所得税・住民税ほぼ0円ほぼ0円(所得控除による)
【手取り合計】約87,472円約75,022円

手取りは約1.2万円減少する

シミュレーションの結果、同じ月収8.8万円でも、社会保険に加入すると毎月約12,000円〜13,000円ほど手取りが減ることがわかります。年間で見ると、約15万円のマイナスです。これが「働き損」と感じる正体です。


2. なぜ「働き損」と言われるのか?逆転現象のメカニズム

手取り額が、加入前と同じ水準に戻るためには、どれくらい余分に働く必要があるのでしょうか。

一般的に、社会保険料の負担分をカバーして、扶養内にいた時と同じ「手取り」を確保するには、年収を125万円〜130万円程度まで引き上げる必要があります。

  • 年収106万円: 手取りがガクンと減る(一番苦しい時期)

  • 年収125万円: 加入前の「103万〜105万」の時と手取りがほぼ同等になる

  • 年収150万円以上: 負担を考慮しても、手取りがしっかり増えた実感が出る

このように、「壁」を少しだけ超えた状態が最も損をしやすいため、中途半端に働くよりも「しっかり働いて壁を突き抜ける」ほうが、経済的な合理性は高いといえます。


3. 手取り減を補って余りある「社会保険加入」の4大メリット

「手取りが減るなら加入したくない」と考えるのは自然なことですが、社会保険にはお給料袋の数字には現れない**「目に見えない報酬」**がたくさんあります。

① 将来もらえる年金額が確実に増える

扶養内の場合、将来もらえるのは「老齢基礎年金」のみです。社会保険(厚生年金)に加入すると、これに**「老齢厚生年金」が一生涯上乗せ**されます。また、国民年金保険料(月額約1.7万円)を自分で払う必要もありません。

② 働けなくなった時の「傷病手当金」

病気やケガで3日以上連続して休んだ場合、4日目からお給料の約3分の2が最大1年6ヶ月間支給されます。扶養内(第3号被保険者)にはない、本人加入者だけの強力なセーフティネットです。

③ 出産時の手厚いサポート

産休期間中に給与の約3分の2が支給される「出産手当金」を受け取ることができます。これも、自分で社会保険に入っているからこそ得られる権利です。

④ 会社が保険料を半分肩代わりしてくれる

実は、あなたが払っている保険料と同じ額を、会社も支払っています。つまり、**「実質的にはお給料以上のコストを会社があなたのために使っている」**ということ。これは間接的な昇給とも考えられます。


4. 損をしないための「働き方の正解」

今の生活を最優先にするか、将来の安心を重視するかで「正解」は変わります。

  • 「今は絶対に手取りを減らしたくない」という方

    月収を8.8万円未満、かつ週の労働時間を20時間未満に徹底して抑えましょう。特に繁忙期の残業には注意が必要です。

  • 「将来の備えも考えつつ、もっと稼ぎたい」という方

    社会保険加入をポジティブに捉え、年収150万円以上を目指してシフトを増やしましょう。厚生年金に加入することで、自分自身のキャリアや老後の安心が格段にアップします。


5. まとめ:数字の「壁」に振り回されないために

社会保険加入で一時的に手取りが減るのは事実ですが、それは**「自分自身の保障を買っている」**とも言い換えられます。

「働き損」という言葉に惑わされすぎず、まずは自分の会社の従業員数や、自分がどの基準(106万の壁か、130万の壁か)に該当するのかを正確に把握しましょう。

その上で、**「月1.2万円の保険料で、将来の年金と病気のリスクをカバーする」**という選択が、自分にとってメリットがあるかどうかを検討してみてください。

迷ったときは、勤務先の担当者に「あと何時間増やしたら、社会保険料を引いても今より手取りが増えますか?」と率直に相談してみるのが一番の近道ですよ!