古い車に車両保険はいらない?何年落ちまで入るべきか?時価額から考える損益分岐点
「もう10年乗っているし、車両保険は外してもいいかな?」
「古い車なのに高い保険料を払い続けるのはもったいない気がする」
愛車の年式が古くなってくると、必ず直面するのが「車両保険の継続」に関する悩みです。新車の頃は迷わず加入していても、時間の経過とともに車の価値は下がり、それに伴って保険の重要性も変わってきます。
結論から申し上げますと、古い車に車両保険が必要かどうかは、**「車の時価額」と「毎年の保険料」のバランス、そして「万が一の際の自己負担能力」**の3点で決まります。
この記事では、車両保険を卒業するタイミングや、損をしないための具体的な判断基準をプロの視点で徹底解説します。
1. なぜ「古い車には車両保険がいらない」と言われるのか?
その最大の理由は、車両保険の**「支払い限度額(保険金額)」が、その時の車の市場価値(時価額)によって決まるから**です。
時価額の減少と保険料の反比例
自動車の価値は、一般的に新車登録から1年経つごとに大きく下がります。しかし、車両保険の保険料は時価額が下がっても、それと同じペースで安くなるわけではありません。
新車時: 保険金額300万円に対し、年間保険料6万円(安心感が大きい)
10年後: 保険金額15万円に対し、年間保険料4万円(コスパが非常に悪い)
このように、15万円しか出ない補償に対して、毎年数万円の保険料を支払うのは効率が悪いと考えられ、「古い車には不要」という結論に至るのです。
2. 車両保険を外すかどうかの「損益分岐点」
具体的に、どのような基準で判断すればよいのでしょうか。目安となる3つの指標をご紹介します。
① 「時価額」が20万円〜30万円以下になったとき
保険証券を確認し、車両保険の金額が20万円〜30万円程度まで下がっている場合は、解約を検討する有力なタイミングです。
もし大きな事故で全損になっても、受け取れるのは20万円程度。そこから免責金額(自己負担)を差し引かれ、翌年の保険料が3等級ダウンで値上がりすることを考えると、保険を使うメリットがほとんどなくなるからです。
② 初年度登録から「10年」が経過したとき
国産車の場合、10年を過ぎると中古車市場での価値が極端に下がります。一部のスポーツカーや高級車、希少車種を除き、多くの保険会社でも設定できる保険金額が最低ライン(10万円〜20万円など)になります。
③ 年間の車両保険料 > 受取可能額の50%
1年間の車両保険料(特約部分)が、設定されている保険金額の半分を超えているような場合は、2年事故を起こさないだけで保険料の合計が補償額を上回ってしまいます。これは「自分で貯金したほうが早い」状態と言えます。
3. それでも古い車で「車両保険を残すべき」ケース
条件に当てはまっても、例外的に継続したほうが良い場合があります。
ローンが残っている場合
年式が古くても、買い替えのローンが残っている時期に車を失うと、二重ローンに苦しむことになります。
特定の「お宝車」や「人気車種」
ランドクルーザーやジムニー、一部の旧車のように、年式が古くても市場価値が落ちない車は、車両保険を維持する価値があります。
事故時の「全損時諸費用特約」を活用したい場合
全損時に買い替え費用を上乗せしてくれる特約を付けている場合、古い車でも買い替えの大きな足しになります。
4. 保険料を抑えて「最低限の安心」だけを残す裏ワザ
「全額払うのは嫌だけど、完全にゼロにするのも不安」という方には、以下のステップがおすすめです。
「エコノミー型」へ切り替える
自損事故の補償を外すだけで、保険料を大きく下げられます。「自分のミスでぶつけた時は諦めるが、もらい事故や盗難、台風被害だけは守りたい」という古い車のニーズに最適です。
免責金額を最大に設定する
免責金額(自己負担額)を10万円に設定しましょう。これにより、小さな修理では保険を使わず(=等級を下げず)、車が全損して「どうしても買い替えが必要な時」だけ10万円を引いた保険金を受け取るという、非常に合理的な備え方が可能になります。
5. 車両保険を外した後の「防衛策」
もし車両保険を外す決断をしたなら、以下の準備をセットで行いましょう。
「車両保険代」を別口座で貯金する
浮かした保険料(年間3〜5万円など)をそのまま「車修理・買い替え積立」として貯金に回します。3年も経てば、古い車の時価額以上の現金が手元に残ります。
対物超過修理費用特約は残す
古い車で相手にぶつかった際、相手の車の時価額を超えた修理費をカバーする特約です。これは「相手」のためのものなので、自分の車が古くても必ず維持しましょう。
まとめ:あなたの愛車の「今の価値」を知ることから
古い車に車両保険が必要かどうかの正解は、**「その車が全損した時、自腹で次の車を用意できるか」**という一点に集約されます。
「もし今、車がなくなっても困らない」または「すぐに中古車を買う現金がある」のであれば、車両保険を卒業する勇気を持つことで、生涯のカーライフコストを数十万円単位で節約できるはずです。
まずは次回の更新案内が届く前に、現在の「車両保険金額」をチェックしてみてください。その数字があなたの安心感に対して「安すぎる」と感じた時が、車両保険の見直し時です。
次は、実際に車両保険を外した場合に、どのような特約を強化すべきか検討してみるのも良いでしょう。
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