介護保険料の計算方法は?年収別の目安と手取りへの影響を徹底解説
40歳を迎えると、給与明細の控除欄に突如として現れる「介護保険料」。
「健康保険料とは別に引かれているけれど、これってどうやって計算されているの?」と疑問に思う方も多いはずです。
実は、介護保険料の計算式は、あなたが**「会社員(公務員)」なのか「自営業・フリーランス」**なのかによって大きく異なります。また、年収が上がれば上がるほど負担も増える仕組みになっているため、家計管理の上では無視できない存在です。
この記事では、介護保険料の具体的な計算メカニズムから、年収別のシミュレーション、そして手取り額にどれくらい影響するのかを詳しく解説します。
1. 介護保険料の計算式:2つのパターン
介護保険料の計算方法は、加入している医療保険の区分によって2通りに分かれます。
① 会社員・公務員の場合(健康保険組合・協会けんぽ)
会社員の方は、加入している健康保険(協会けんぽや健保組合)が、健康保険料と一緒に介護保険料を徴収します。
【計算式】
標準報酬月額 × 介護保険料率 = 介護保険料
標準報酬月額: 毎月の給与(基本給+残業代+諸手当)を一定の幅で区分けした金額です。
介護保険料率: 加入している保険団体によって異なります(協会けんぽの場合、全国一律で設定されています)。
労使折半: 算出された金額の半分は会社が負担してくれるため、実際の給与天引き額は計算結果の半分になります。
② 自営業・フリーランスの場合(国民健康保険)
国民健康保険(国保)の場合、お住まいの市区町村によって計算方法が異なります。
【主な算出項目】
所得割: その年の所得に応じて計算
均等割: 世帯の加入人数に応じて計算
平等割: 1世帯あたりいくらと計算
資産割: 固定資産税額などに応じて計算
これらを組み合わせて世帯ごとの保険料が決まります。会社員のような「会社負担(折半)」がないため、全額自己負担となります。
2. 【年収別】介護保険料のシミュレーション(目安)
実際にどれくらいの金額が引かれるのか、協会けんぽ(東京都・令和時点の料率を想定)を例に、会社員の本人負担分(折半後)を試算してみましょう。
| 年収(額面) | 月額給与(目安) | 月額の介護保険料(本人負担) | 年間の合計負担額 |
| 300万円 | 約25万円 | 約2,000円 | 約24,000円 |
| 500万円 | 約42万円 | 約3,300円 | 約39,600円 |
| 700万円 | 約58万円 | 約4,600円 | 約55,200円 |
| 1,000万円 | 約83万円 | 約6,600円 | 約79,200円 |
※賞与(ボーナス)からも、支払額に応じて同様の料率で介護保険料が引かれます。
※金額はあくまで概算です。加入する保険組合や年度によって変動します。
3. 手取り額への影響と「40歳の壁」
多くの人が「手取りが減った」と実感するのは、40歳になった直後の給与です。
なぜ手取りがガクッと減るのか?
これまで「健康保険料」と「厚生年金保険料」だけだった社会保険料の控除に、新たに「介護保険料」が加わるためです。年収500万円の人であれば、月々約3,000円強、年間で約4万円ほどの手取りが減少することになります。
昇給しても手取りが増えない要因に
皮肉なことに、昇給して「標準報酬月額」のランクが上がると、それに連動して介護保険料もアップします。所得税や住民税も増えるため、「額面は増えたのに、手取りが思ったより増えていない」という現象の要因の一つが、この介護保険料なのです。
4. 介護保険料を正しく把握するためのチェックポイント
自分自身の正確な負担額を知るためには、以下の2点を確認しましょう。
給与明細の「介護保険料」欄を見る
40歳以上の方は、必ず項目が分かれて記載されています。
加入保険の「料率」を確認する
「協会けんぽ 介護保険料率」や、勤務先の「健康保険組合」のHPを確認しましょう。料率は毎年見直される可能性があるため、定期的なチェックが有効です。
5. まとめ:賢く備えるために
介護保険料は、40歳から一生涯続く固定費のようなものです。年収が上がるにつれて負担感も増していきますが、これは「もしもの時の安心」を社会全体で買うためのコストでもあります。
会社員は「標準報酬月額」×「料率」で決まり、会社が半分払ってくれる。
自営業は所得や世帯人数などで決まり、全額自己負担。
年収が上がると保険料も上がるが、上限設定もある。
自分の手取り額を正確に把握しておくことは、将来の資産形成や教育資金、老後資金の計画を立てる上で非常に重要です。「引かれるのは仕方ない」で終わらせず、その仕組みを理解して家計のコントロールに役立てましょう。