失業保険の計算ガイド|いくらもらえる?計算式と受給額を増やすコツを解説
「会社を辞めることになったけれど、次の仕事が決まるまでのお金が心配……」
「自分の場合、失業保険(基本手当)は具体的にいくらもらえるんだろう?」
退職を控えた時期や、いざ離職した直後は、これからの生活費のことが一番の不安要素ですよね。ハローワークの手続きは難しそうで、計算方法も複雑に感じてしまうかもしれません。
この記事では、失業保険(雇用保険の基本手当)の計算方法を、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。いくらもらえるかの目安だけでなく、受給期間を左右する条件や、手当をしっかり受け取るための注意点まで、具体的にお伝えしていきます。
不安を安心に変えて、前向きな再就職活動への第一歩を踏み出しましょう。
1. 失業保険の計算の基本:まずは「給付率」を知ろう
失業保険でもらえる1日あたりの金額を**「基本手当日額」**と呼びます。これは、退職直前の6ヶ月間の給料をベースに算出されます。
基本的な計算の流れ
賃金日額を出す:退職前6ヶ月間の給与総額 ÷ 180日
給付率をかける:賃金日額 × 給付率(50%〜80%) = 基本手当日額
ここで重要なのは、計算のベースとなる「給与総額」にはボーナス(賞与)は含まれないという点です。一方で、残業代や通勤手当、住宅手当などは含まれます。退職前に残業が多かった方は、その分、受給額が少し高くなる傾向にあります。
給付率は年齢と賃金で決まる
給付率は、離職時の年齢や賃金の高さによって変動します。賃金が低い人ほど、生活維持のために高い給付率(最大80%)が適用される仕組みになっています。
2. 【年齢別】基本手当日額の上限と下限
失業保険には「いくらでももらえる」というわけではなく、年齢ごとに1日あたりの上限額が決められています。どれだけ現役時代の給料が高かったとしても、以下の金額を超えることはありません。
| 離職時の年齢 | 1日あたりの上限額(目安) |
| 30歳未満 | 6,945円程度 |
| 30歳以上45歳未満 | 7,715円程度 |
| 45歳以上60歳未満 | 8,490円程度 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,294円程度 |
※この金額は毎年8月に改定されるため、あくまで目安として参考にしてください。下限額については全年齢共通で2,196円程度となっています。
3. 受給できる「日数」が決まる3つの要素
「いくらもらえるか」と同じくらい大切なのが、**「いつまで(何日間)もらえるか」**です。これは、以下の3つの要素によって大きく変わります。
① 離職の理由(自己都合か会社都合か)
もっとも大きな分かれ道です。
自己都合退職:キャリアアップや結婚、転職先を決めずに辞めた場合。
会社都合退職:倒産や解雇など。
特定理由離職者:病気や家族の介護、雇い止めなど、やむを得ない理由がある場合。
会社都合や特定理由離職者のほうが、手厚い給付を受けられるケースが多いです。
② 雇用保険の被保険者期間
これまでに通算で何年間、雇用保険に入っていたか(働いていたか)です。期間が長ければ長いほど、所定給付日数は増える傾向にあります。
③ 年齢
特に会社都合で退職した場合、年齢が高いほど再就職が困難と判断され、給付日数が多く設定されています。
4. 実際に計算してみよう!ケース別のシミュレーション
具体的な例を挙げて、総額でいくらくらいになるのかを見てみましょう。
ケースA:32歳・自己都合退職・勤続5年
直近6ヶ月の月収:30万円(残業代込)
賃金日額:30万円 × 6 ÷ 180 = 10,000円
基本手当日額:約6,000円(給付率約60%と想定)
給付日数:90日間
受給総額:約540,000円
ケースB:46歳・会社都合(倒産)・勤続20年
直近6ヶ月の月収:40万円
賃金日額:40万円 × 6 ÷ 180 = 13,333円
基本手当日額:上限の8,490円
給付日数:330日間
受給総額:約2,801,700円
このように、退職理由と期間によって総額には大きな差が出ます。
5. 知っておきたい「待機期間」と「給付制限」
計算上はたくさんもらえるはずでも、実際にお金が振り込まれるまでにはタイムラグがあります。
待機期間(7日間):申請した全員に適用される「本当に失業しているか」を確認する期間です。
給付制限(2ヶ月間):自己都合退職の場合、待機期間が終わってからさらに2ヶ月間(※5年以内で3回目以降の退職なら3ヶ月)は、お金がもらえません。
「明日からお金がない!」という状況にならないよう、この無給期間の生活費はあらかじめ準備しておく必要があります。
6. 失業保険を損なく、賢く受給するためのポイント
少しでも有利に、そしてスムーズに受給するための具体的な対策をまとめました。
離職票の「離職理由」を必ずチェックする
会社から届く離職票に記載された「離職理由」が、自分の認識と合っているか確認してください。例えば「残業が月45時間を超えていた」「パワハラがあった」などの証拠があれば、自己都合から特定受給資格者に変更できる可能性があり、給付が早まったり日数が増えたりすることがあります。
再就職手当の活用
「最後までもらいきった方が得」と思われがちですが、早めに再就職が決まると**「再就職手当」**というお祝い金のようなまとまったお金がもらえます。支給残日数が3分の1以上残っていれば申請できるため、無理に受給期間を延ばすよりも、良い求人があれば早めに決めるのがトータルで得になるケースも多いのです。
公的職業訓練(ハロートレーニング)を検討する
ハローワークが実施する職業訓練を受けると、訓練期間中は失業保険の給付が延長される場合があります。スキルを身につけながら受給期間を延ばせるため、未経験職種への挑戦を考えている方には非常に有効な選択肢です。
7. まとめ:正しい知識が再就職の余裕を作る
失業保険は、単なる「お小遣い」ではなく、私たちが雇用保険料を払ってきた正当な権利です。
直近6ヶ月の給料(ボーナス抜き)で1日あたりの金額が決まる
退職理由によって「もらえる期間」と「もらえる時期」が大きく変わる
再就職手当や職業訓練など、プラスアルファの制度も賢く利用する
これらを押さえておくだけで、退職後のマネープランはぐっと立てやすくなります。計算ツールなどで概算を把握したら、早めに最寄りのハローワークへ足を運びましょう。
経済的な支えがあることで、焦って不本意な就職先を選んでしまうリスクを減らせます。この記事が、あなたの新しいキャリアへの安心材料になれば幸いです。