【自己都合vs会社都合】失業保険でもらえる金額の差は?会社に「退職勧奨」をされた時の正しい対処法
「最近、上司から面談で『今のうちに次の道を探さないか?』と言われた」「会社が経営不振で、肩叩き(退職勧奨)が始まっている……」
そんな状況に直面すると、将来への不安で頭がいっぱいになってしまいますよね。特に気になるのが、退職後の生活を支える「失業保険(基本手当)」のこと。
実は、同じ時期に会社を辞めるにしても、「自己都合」か「会社都合」かによって、もらえるお金の総額が数十万円単位で変わることをご存知でしょうか?
この記事では、退職理由による給付額の決定的な違いから、会社から退職を勧められたときに絶対にやってはいけないこと、そして損をしないための正しい対処法を分かりやすく解説します。
1. 決定的な違い!「自己都合」と「会社都合」の比較表
失業保険の世界では、あなたの退職理由が「自分の意思(自己都合)」か、それとも「会社側の事情(会社都合)」かで、扱いが天と地ほど変わります。
まず、その大きな違いを一覧表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 自己都合退職(一般受給者) | 会社都合退職(特定受給資格者) |
| 給付制限期間 | 1ヶ月〜2ヶ月間(待機後すぐもらえない) | なし(7日間の待機後すぐもらえる) |
| 最大給付日数 | 90日〜150日 | 90日〜330日 |
| 受給資格の条件 | 離職前2年間に加入期間12ヶ月以上 | 離職前1年間に加入期間6ヶ月以上 |
| 国民健康保険料 | 軽減なし | 最大2年間、大幅に軽減される |
このように、会社都合(特定受給資格者)として認められると、**「早く、長く、たくさん」**手当を受け取ることができます。さらに、住民税や健康保険料の減免措置も受けられるため、実質的な手残りの差はさらに広がります。
2. 退職勧奨は「会社都合」?それとも「自己都合」?
ここで非常に重要なのが、「退職勧奨(会社から退職を勧められること)」に応じて辞める場合は、原則として「会社都合」になるという点です。
しかし、実務上ではトラブルが多発しています。会社側は、会社都合退職を増やすと「国からの助成金が受け取れなくなる」などのデメリットがあるため、労働者に**「自己都合での退職届」を書かせようとする**ケースがあるからです。
【注意!】
会社から「一身上の都合により退職します」という内容の退職届を出すよう言われても、安易に従ってはいけません。一度「自己都合」として書類を提出してしまうと、後からハローワークで「実は会社に言われて辞めたんです」と証明するのが非常に難しくなります。
3. 会社に「退職勧奨」をされた時の正しい対処法
もしあなたが会社から退職を勧められたら、感情的にならず、以下の3つのステップで対応してください。
① その場で返事をせず、保留にする
退職勧奨はあくまで「お願い」であり、強制力はありません。「一度持ち帰って、家族や専門家と相談します」と伝え、きっぱりと即答を避けましょう。
② 証拠を記録に残す
退職理由が「会社からの働きかけ」であることを証明するために、以下のものを残しておきましょう。
面談の録音: スマートフォンの録音機能などで、どのような説明を受けたか記録する。
メールやチャット: 退職を促すようなやり取りがあれば保存しておく。
日記やメモ: いつ、誰に、どんな条件を提示されたかを詳細に書く。
③ 離職理由を「会社都合(退職勧奨)」にするよう交渉する
もし退職に応じる決意をしたなら、条件交渉が必要です。「会社都合としての離職票を発行すること」を退職の条件として明確に伝えましょう。
4. 「特定理由離職者」という救済措置も知っておこう
「会社都合ではないけれど、どうしても辞めざるを得なかった」というケースもありますよね。例えば、以下のような理由です。
病気やケガで今の仕事が続けられなくなった
家族の介護や、結婚による遠方への引越しで通勤が困難になった
残業が極端に多くなった(月45時間を超える状況が続いたなど)
これらは「自己都合」ではありますが、**「特定理由離職者」**として認定されると、会社都合と同じように給付制限が免除されたり、給付日数が増えたりする場合があります。
5. まとめ:自分の権利を正しく守ろう
退職は人生の大きな転機です。特に「退職勧奨」のような予想外の出来事が起きたときは、パニックになって会社の言いなりになってしまいがちです。
しかし、あなたがこれまで一生懸命働いて支払ってきた雇用保険は、こうした時のためにあります。
「自己都合」と「会社都合」では、数十万円の差が出ることもある。
退職勧奨に応じるなら、安易に「自己都合」の退職届を書かない。
ハローワークは労働者の味方。少しでも納得がいかない時は相談する。
正しい知識を持っておくことで、次のステップへ踏み出すための「安心の資金」をしっかり確保することができます。
「自分のケースは会社都合になるのかな?」と不安な方は、まずはハローワークの窓口で「離職理由の異議申し立て」について相談してみるのが第一歩です。また、会社との交渉が難しい場合は、労働問題に強い専門家への相談も検討してみてください。