車両保険を使うと損をする?「3等級ダウン」の増額分と修理代を天秤にかける計算ガイド
「不注意で電柱にぶつけてしまった…修理代は15万円」
「車両保険に入っているけれど、使うと来年の保険料が跳ね上がる?」
「結局、自腹で直すのと保険を使うの、どっちがお得なの?」
大切な愛車を傷つけてしまったとき、ショックとともに頭をよぎるのは**「保険を使うべきかどうか」という悩みですよね。車両保険は万が一のための備えですが、実は「使わないほうがトータルで安く済む」**ケースが多々あります。
その理由は、保険を使うと「等級が下がる」だけでなく、数年間にわたって**「事故あり係数」**という割増料金が適用されるからです。
この記事では、保険を使うかどうかの判断基準となる**「損益分岐点」の計算方法**と、後悔しないための具体的なチェックリストを詳しく解説します。
1. 保険を使うと発生する「2つのコスト」
車両保険(自損事故や衝突など)を使用すると、翌年度から以下の2つのペナルティが発生します。
① 等級が3つ下がる(3等級ダウン)
1年間無事故なら1等級上がるところが、3等級下がるため、本来の進級と比べて**「4等級分」の差**が生まれます。
② 「事故あり係数」が3年間適用される
同じ等級であっても、「無事故」の人と「事故あり」の人では割引率が異なります。3等級ダウン事故の場合、向こう3年間は「事故あり」の低い割引率が適用され、保険料が大幅に高くなります。
2. 【実例】保険料はどれくらい上がるのか?
例えば、現在**15等級(無事故)の人が、車両保険を使って12等級(事故あり)**に下がった場合のシミュレーションを見てみましょう。(※保険会社や条件により金額は変動します)
保険を使わなかった場合:
翌年は16等級。年間保険料が5万円だとすると、3年間で計約14万円。
保険を使った場合(3等級ダウン):
翌年は12等級(事故あり)。3年間の合計保険料が約22万円。
この場合、保険を使ったことによる**「保険料の増分」は約8万円**となります。
結論: 修理費が8万円以下なら、保険を使わず自腹で直したほうが確実にお得です。
3. 保険を使うべきか決める「簡易計算シート」
迷ったときは、以下のステップで計算してみましょう。
| ステップ | 確認項目 | 入力・計算例 |
| Step 1 | 修理代の見積額 | 150,000円 |
| Step 2 | 免責金額(自己負担額) | -50,000円 |
| Step 3 | 保険から出る金額 (1-2) | 100,000円 (A) |
| Step 4 | 3年間の保険料アップ推定額 | 90,000円 (B) |
| 判定 | (A) が (B) より大きければ使う | 今回は「使う」がお得! |
免責金額(めんせき)を忘れずに!
車両保険には「5-10万円」などの免責金額(自己負担)が設定されていることが多いです。修理代が15万円でも、免責が5万円あれば、保険会社から支払われるのは10万円だけです。この**「実際に受け取れる金額」**と「将来の増額分」を比較するのがポイントです。
4. 保険を使っても良いケース・使わない方が良いケース
保険を使ったほうが良い場合
修理費用が20万円を超える高額なケース: 将来の保険料アップ分を考慮しても、手出しを抑えるメリットが大きいです。
相手がいる事故で、対物賠償も発生している場合: どのみち等級が下がるなら、車両保険もセットで使ってしっかり直すべきです。
全損(修理不能)の場合: 買い替え費用が必要になるため、保険金を受け取るメリットが最大化されます。
自腹(キャッシュ)で直したほうが良い場合
修理費が10万円以下の小さな傷: 「事故あり係数」のペナルティの方が高くつく可能性が高いです。
近々、車を手放す予定がある: 等級を維持しておけば、次の車に乗り換える際や、中断証明書を発行する際に有利になります。
今の等級が低い(1〜6等級付近): さらに等級が下がると、保険の継続を断られたり、「割増」が非常にきつくなったりします。
5. プロが教える「判断の裏ワザ」
保険会社に「概算」を出してもらう
多くの保険会社では、電話一本で**「今回保険を使った場合と使わない場合、翌年以降の保険料はどう変わるか」**を試算してくれます。これを聞くこと自体は、等級ダウンに影響しません。「とりあえず事故受付」ではなく「相談」として連絡してみましょう。
1等級ダウン事故ではないか確認
「飛び石によるガラス割れ」や「いたずら」「盗難」などは、3等級ではなく1等級ダウンで済む場合があります。この場合は保険料の上がり幅が小さいため、保険を使うハードルが下がります。
6. まとめ:目先の修理代より「3年間のトータルコスト」
自動車保険は「いざという時のお守り」ですが、使いどころを見極めるのが賢い契約者の振る舞いです。
修理見積もりを取り、免責金額を差し引く。
保険会社に「3年間の保険料アップ額」を試算してもらう。
「保険金の受取額 > 保険料アップ額」なら使う。
迷ったときは、このシンプルな方程式を思い出してください。
事故を起こした直後は冷静な判断が難しいものですが、一晩置いてからこの計算シートを活用すれば、最も経済的な選択ができるはずです。あなたのカーライフが、少しでも負担の少ないものになるよう願っています!
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