保険料控除申告書の「新・旧」どっち?迷いやすい項目と計算ミスを防ぐ3つのチェックポイント
「年末調整の書類、一番の難所はここだ…」と感じる方が多いのが、生命保険料控除の**「新・旧」判定と計算**ですよね。
「新契約」と「旧契約」では、適用される控除額の計算式が異なり、ここを間違えると還付金の額が変わってしまうだけでなく、書類の差し戻しの原因にもなります。
今回は、忙しい年末に二度手間にならないよう、「新・旧」の見分け方と、計算ミスを防ぐための3つの鉄則を分かりやすく解説します。
1. ズバリどっち?「新・旧」を見分ける決定的な基準
書類の記入欄にある「新・旧」の区分。これは、保険を契約したタイミング(制度の改定)によって決まります。
判定のボーダーライン
「旧」契約: 平成23年(2011年)12月31日以前に締結した契約
「新」契約: 平成24年(2012年)1月1日以降に締結した契約
注意すべき「落とし穴」
ここで多くの方が迷うのが、**「ずっと前から加入しているけれど、数年前に特約を更新した」**というケースです。
契約自体が2011年以前でも、2012年以降に特約の更新や中途付加、転換を行った場合は、その時点から「新契約」として扱われることがあります。
【解決策】
自分の記憶で判断せず、手元の**「保険料控除証明書」**を必ず確認してください。証明書の適用欄には必ず「新」か「旧」かが明記されています。
2. 計算ミスを防ぐための「3つのチェックポイント」
「新・旧」が分かったら、次は金額の記入です。ここでミスをしないための重要ポイントを絞ってお伝えします。
① 「証明額」ではなく「申告額」を見る
控除証明書には、通常2つの金額が記載されています。
証明額: 証明書発行時点(9月〜10月頃)までに支払った金額
申告額(12月末予定額): 12月末までに支払う予定の年間合計額
申告書に記入するのは**「申告額(予定額)」**の方です。これを間違えて「証明額」で書いてしまうと、控除を受けられる額が少なくなってしまい、損をしてしまいます。
② 「一般」「介護医療」「個人年金」の仕分け
生命保険料控除には3つの枠があります。
一般: 死亡保険、学資保険など
介護医療: 入院保険、がん保険など(※「新」のみの枠です)
個人年金: 個人年金保険料税制適格特約が付いたもの
ここでよくあるミスが、「旧契約の医療保険」をどこに書くかです。旧制度には「介護医療」という枠がなかったため、旧契約の医療保険やがん保険は「一般」の枠に記入します。一方、新契約の医療保険は「介護医療」の枠に記入します。
③ 控除限度額(上限)の壁を意識する
どれだけたくさん保険料を払っても、控除される金額には上限があります。
所得税: 各枠最大4万円(新契約)/5万円(旧契約)、全体で合計12万円まで。
住民税: 各枠最大2.8万円、全体で合計7万円まで。
「いくら書いても結局上限で止まる」ということが分かっていれば、細かい端数の計算に神経質になりすぎる必要もなくなります。
3. 計算が面倒な時の「裏ワザ」
最近は、手書きで頑張るよりも確実で早い方法があります。
スマホの計算ツールを使う:
多くの保険会社の公式サイトに「年末調整計算ツール」があります。新旧の区分と金額を入れるだけで、申告書に書くべき最終的な数字を自動で算出してくれます。
会社の電子申請システムを利用する:
勤務先がマイナポータル連携などの電子申請を導入している場合、控除証明書のデータをアップロードするだけで自動入力が完了します。
まとめ:正しく書いて、賢く還付金を受け取ろう
「新・旧」の区別と、年間予定額の記入。この2点さえ押さえれば、保険料控除申告書の攻略は半分以上終わったようなものです。
「控除証明書」を正義とする(勝手に判断しない)
「12月末までの予定額」を記入する
医療保険の「新(介護医療)」「旧(一般)」の振り分けに注意する
これらを意識して、漏れなく正確に申告を行いましょう。浮いた税金で、年末にちょっとした贅沢ができるかもしれませんね。