学資保険より終身保険が選ばれる理由とは?教育資金を賢く貯める「返戻率」のカラクリ
「子供の教育資金といえば学資保険」というのは、一昔前の常識になりつつあります。
最近、賢く資産形成をしている親世代の間で選ばれているのが**「終身保険」を活用した教育資金準備**です。
「えっ、終身保険ってお葬式代のためのものじゃないの?」
「学資保険の方が子供のための専用プランだから安心なのでは?」
そう思う方も多いでしょう。しかし、今の低金利時代において、貯蓄の「柔軟性」と「効率」を比較すると、終身保険に軍配が上がるケースが増えています。
今回は、なぜあえて終身保険が選ばれるのか、その裏側にある**「返戻率(へんれいりつ)」のカラクリと、具体的なメリット・デメリット**を詳しく解説します。
1. 学資保険と終身保険、何が違うの?
まずは、両者の仕組みをシンプルに比較してみましょう。
| 比較項目 | 学資保険(教育資金専用) | 終身保険(一生涯の保障) |
| 主な目的 | 子供の入学金・授業料の準備 | 死亡保障 + 資産形成 |
| 受取時期 | 18歳、22歳など固定 | いつでも自由に設定可能 |
| 契約者死亡時 | 以後の保険料は免除(保障継続) | その場で満額の死亡保険金 |
| 使い道の制限 | 教育費として使うのが一般的 | 老後資金や介護費用にも転用可 |
学資保険は「子供の成長」に合わせて自動でお金が受け取れる便利なパッケージですが、終身保険は**「親の万が一に備えつつ、必要になったら解約して現金化する」**というオーダーメイドな使い方ができるのが特徴です。
2. 終身保険が「教育資金」として選ばれる3つの理由
なぜ、専門の学資保険ではなく終身保険が注目されているのでしょうか。
① 万が一の時の「保障額」が圧倒的に大きい
学資保険の場合、親(契約者)が亡くなった際に「以降の保険料が免除」されますが、お祝い金がもらえる時期は変わりません。
一方、終身保険であれば、契約直後に万が一のことがあっても、その瞬間に数百万円〜一千万円といった「死亡保険金」が支払われます。 残された家族は、そのお金を即座に生活費や教育費に充てることができるため、安心感が格段に違います。
② 「大学に行かない」選択にも柔軟に対応できる
学資保険は、18歳などの満期が来ると強制的に受け取りが始まります。
しかし、終身保険なら「推薦入試で早めにお金が必要になった」「留学することになった」「逆に大学へ行かず就職した」といった状況に合わせて、解約するタイミングを自由に調整できます。使わなければそのまま据え置いて、さらに解約返戻金を増やすことも可能です。
③ 親の「老後資金」にスライドできる
これが最大の強みです。もし教育資金を他で賄えたり、子供が奨学金を利用したりして保険を使わずに済んだ場合、そのお金はそのまま親の退職金代わりや老後の生活費として活用できます。学資保険にはない「出口の多様性」が魅力です。
3. 「返戻率」を最大化するカラクリ:低解約返戻金型とは?
終身保険を教育資金目的で使うなら、必ず知っておきたいのが**「低解約返戻金型(ていかいやくへんれいきんがた)」**という仕組みです。
通常の終身保険よりも月々の保険料が安く設定されている代わりに、「保険料を払っている期間中」に解約すると戻ってくるお金が非常に少ないという特徴があります。
【ここがポイント!】
しかし、保険料の払い込みが完了(例えば子供が18歳になるタイミングで設定)した途端、解約返戻金がグンと跳ね上がります。
払込期間中: 解約すると損をする(返戻率70%程度)
払込完了後: 支払った総額以上が戻ってくる(返戻率100%超え)
この「溜め」を作ることで、銀行預金では考えられないような効率で資産を増やすのが、プロが実践する貯蓄術の正体です。
4. 注意点!終身保険で失敗しないためのチェックポイント
メリットが多い終身保険ですが、注意すべきリスクもあります。
早期解約は厳禁: 払い込みが終わる前に解約すると、確実に元本割れします。無理のない保険料設定が絶対条件です。
インフレのリスク: 固定金利の円建て終身保険の場合、将来の物価上昇に対応できない可能性があります。対策として「変額型」や「外貨建て」を検討するのも一つの手です。
親の年齢と健康状態: 終身保険は「生命保険」の一種なので、親の年齢が高かったり持病があったりすると、保険料が高くなったり加入できなかったりすることがあります。
5. 結論:あなたはどちらを選ぶべき?
どちらが正解かは、ご家庭の状況によって異なります。
学資保険が向いている人:
「とにかくシンプルに、決まった時期に教育費を受け取りたい」「複雑な仕組みは苦手」という方。
終身保険が向いている人:
「万が一の保障を厚くしたい」「教育費として使わなかった場合、自分たちの老後資金に回したい」「長期的な視点で資産を増やしたい」という方。
最後に:シミュレーションが成功のカギ
教育資金の準備は、お子様が小さければ小さいほど「時間の力」を味方につけることができます。
終身保険を活用する場合、**「いつまでに払い終え、いつ解約すれば返戻率が最大になるか」**という具体的なシミュレーションを、実際の年齢に合わせて作成することが不可欠です。
「我が家の場合は、月々いくらで、18年後にいくら戻ってくるの?」
「今の家計で無理なく続けられるプランはどれ?」
そう思われた方は、まずは複数のプランを比較してみることから始めましょう。