iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」に書くだけでOK?年末調整で損をしないための証明書の見方と注意点
「老後のためにiDeCo(イデコ)を始めたけれど、年末調整の書類はどう書けばいいの?」
「生命保険料控除の欄に書こうとしたけれど、枠が見当たらない…」
節税効果が非常に高いことで知られるiDeCo(個人型確定拠出年金)ですが、実は年末調整の書類(給与所得者の保険料控除申告書)において、記入する場所を間違えやすい項目でもあります。
iDeCoの掛金は、生命保険料控除とは異なり、「支払った全額」が所得控除の対象になるという、いわば「最強の節税枠」です。ここを正しく記入できるかどうかで、数万円単位の還付金が変わることも珍しくありません。
今回は、iDeCo利用者が年末調整で絶対に損をしないための、書類の書き方と証明書のチェックポイントをやさしく解説します。
1. 記入場所はどこ?「小規模企業共済等掛金控除」が正解
まず、最も大切なことからお伝えします。iDeCoの掛金は「生命保険」ではありません。そのため、書類の左側にある生命保険料控除の欄ではなく、**右下にある「小規模企業共済等掛金控除」**という欄に記入します。
なぜ場所が分かれているのか?
生命保険料控除には「最大12万円」などの上限がありますが、iDeCoが含まれる「小規模企業共済等掛金控除」は、掛金の全額を所得から差し引くことができるからです。国が「老後の準備を自分で行う人を全力で応援します」としているため、非常に優遇された枠になっているのです。
2. 準備するものは1つだけ!「小規模企業共済等掛金払込証明書」
記入にあたって、国民年金基金連合会から届く**「小規模企業共済等掛金払込証明書」**というハガキを用意してください。
証明書はいつ届く?
1月から拠出している方: 通常、10月下旬頃に届きます。
10月以降に加入した方: 加入時期によって11月や12月、あるいは翌年1月になる場合もあります。
もし1月以降に届く場合は、年末調整には間に合わないため、自分で「確定申告」を行うことで税金を取り戻すことになります。
3. 【実践】申告書への記入ステップ
ハガキが手元にあれば、書き方は驚くほど簡単です。
「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄を探す:
「小規模企業共済等掛金控除」のブロック内にある、一番上の行です。
合計金額を転記する:
証明書(ハガキ)に記載されている「合計金額」をそのまま記入します。
※証明書には、これまでに支払った実績額と、12月まで継続した場合の「合計金額(予定額)」が書かれています。年末調整で使うのは**「合計金額」**の方です。
一番下の「合計」欄にも同じ額を書く:
右下のブロックの最下段にある合計欄に、ステップ2と同じ金額を記入します。
これだけで、iDeCoの申告は完了です!
4. ここで差がつく!iDeCo申告の「3つの注意点」
正しく書くだけでなく、以下のポイントを知っておくと、より確実にメリットを享受できます。
① 「給与天引き」の人は記入不要?
iDeCoの掛金を「自分の銀行口座から引き落とし」にしている人は、必ずこの書類に書く必要があります。一方で、会社の給料から掛金が天引きされている(事業主払込)場合は、会社側で金額を把握しているため、この書類に記入する必要はありません。自分の支払い方法がどちらか確認しておきましょう。
② 共働き夫婦の「代わり」はできない
生命保険料控除は「夫が妻の保険料を払っている」場合に夫が控除を受けることができますが、iDeCoは**「加入者本人の所得」からしか控除できません。**
妻のiDeCo掛金を夫の口座から支払うことは原則できませんし、夫の書類に妻のiDeCoを書いても受理されませんので注意してください。
③ 住宅ローン控除との兼ね合い
「iDeCoで所得税がゼロになった結果、住宅ローン控除で戻ってくるはずの枠が余ってしまう」というケースがあります。所得税から引ききれなかった住宅ローン控除は住民税から一定額差し引かれますが、上限があるため、家計全体のシミュレーションを一度しておくと安心です。とはいえ、iDeCoには「運用益非課税」などのメリットもあるため、トータルで損をすることは稀です。
5. もし証明書を失くしたり、書き忘れたりしたら?
「ハガキを捨ててしまったかも!」「提出期限が昨日だった…」という方も安心してください。
再発行は可能
iDeCoのコールセンターへ連絡すれば再発行が可能です。ただし、手元に届くまで1週間〜10日ほどかかるため、早めに動きましょう。
最終手段は「確定申告」
年末調整で出し忘れても、翌年3月15日までに確定申告を行えば、払いすぎた税金はしっかり戻ってきます。マイナンバーカードがあれば、スマホから5分程度で入力できるので、諦める必要はありません。
6. まとめ:iDeCoの節税パワーを最大限に引き出そう
iDeCoの最大の魅力は、毎月の掛金がそのまま「所得控除」になることです。
記入欄は「右下の小規模企業共済等掛金控除」
ハガキの「合計金額(予定額)」を書き写す
本人名義の掛金のみが対象
この3点を守るだけで、あなたの手取り額は着実に増えます。老後の資産形成をしながら、今使えるお金(還付金)を賢く増やしていく。そのために、この「1行」の記入を丁寧に行いましょう。