賞与をもらって退職するならいつが正解?社会保険料で損をしない「月末退職」の注意点


「ボーナスをもらってから、気持ちよく次のステップへ進みたい!」と考えている方は多いはず。しかし、退職する日を一間違えると、手元に残るはずの賞与(ボーナス)から予想外の社会保険料がドカンと引かれ、大損をしてしまう可能性があることをご存知でしょうか。

「月末に辞めるのが普通でしょ?」と思われがちですが、実は「社会保険料」の仕組みを知っているかどうかで、手取り額に数万円、人によっては十万円以上の差が出ます。

この記事では、賞与を受け取って退職する際の「ベストなタイミング」と、社会保険料の負担を最小限に抑えるための具体的な注意点を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。


1. 知らないと怖い!社会保険料の「月末」ルールとは?

まず、大前提として知っておかなければならないのが、社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が発生するタイミングの仕組みです。日本の制度では、「退職日の翌日(資格喪失日)」が属する月の前月分までの保険料を支払うことになっています。

分かりやすく言うと、**「月末時点でその会社に在籍しているかどうか」**で、その月の保険料がかかるかどうかが決まるのです。

月末退職の場合(例:6月30日退職)

  • 退職日の翌日は「7月1日」です。

  • この場合、「6月分」の社会保険料が発生します。

  • 6月に支給されたボーナスからも、しっかり社会保険料が天引きされます。

月末の前日退職の場合(例:6月29日退職)

  • 退職日の翌日は「6月30日」です。

  • この場合、ルール上「5月分」までの保険料で済むため、「6月分」の社会保険料はかかりません。

  • つまり、6月に支給されたボーナスから健康保険や厚生年金が引かれないため、手取り額が大幅に増えます。


2. ボーナスの手取りを最大化する「裏技」とそのリスク

「じゃあ、月末の前日に辞めればボーナスの社会保険料を払わなくて済むから、絶対にお得じゃないか!」と思うかもしれません。確かに、目先の「賞与の手取り額」だけを見れば、月末より1日早く辞める方が圧倒的に得をします。

しかし、ここには無視できない**落とし穴(デメリット)**が隠されています。

① 結局、自分で全額払うことになる

会社を辞めた後、すぐに次の会社に入社しない場合は、自分で「国民健康保険」や「国民年金」に加入しなければなりません。

月末に在籍していない場合、会社での保険料はかかりませんが、代わりにお住まいの市区町村から「6月分」の納付書が届きます。

  • 会社在籍中: 保険料は会社と折半(半分出してくれる)

  • 退職後: 全額自己負担(国民健康保険など)

結果として、賞与から引かれなかった分以上の金額を、後から自分で支払うことになるケースが非常に多いのです。

② 厚生年金の加入期間が1ヶ月分減る

厚生年金は、加入期間が長いほど将来もらえる年金額が増えます。月末より前に辞めてしまうと、その月は「厚生年金に加入していなかった」とみなされるため、将来の受給額がわずかに減少します。


3. 「賞与をもらって退職」のベストタイミングはいつ?

結論から言うと、**「次の仕事が決まっているかどうか」**によって正解は変わります。

次の転職先が「翌月1日」から始まる場合

  • 月末退職(例:6月30日退職 → 7月1日入社)がベストです。

  • 前の会社で6月分の社会保険料が引かれますが、空白期間がないため、手続きが最もスムーズで、健康保険の二重払いなどのトラブルも避けられます。

しばらく休養する場合(転職先が決まっていない)

  • 月末退職(例:6月30日退職)が無難です。

  • 賞与から保険料は引かれますが、会社が半分負担してくれる「折半」の恩恵を受けられるため、トータルでの支出は抑えられる可能性が高いです。

どうしても目先の手元資金を増やしたい場合

  • **月末の前日退職(例:6月29日退職)**を選びます。

  • 賞与から社会保険料(健康保険・厚生年金)が引かれないため、振り込み額は最大化されます。ただし、前述の通り「国民年金・国民健康保険」の支払いが後から来ることを覚悟しておく必要があります。


4. 雇用保険料だけは「日割り」にならない

注意点として、社会保険料の中でも**「雇用保険料」**だけは扱いが異なります。

雇用保険料は、支払われた給与や賞与の額に対して一律の料率がかかるため、月末に在籍していようがいまいが、賞与を受け取った以上は必ず引かれます。これは「逃れることができない控除」だと割り切りましょう。


5. 退職時の賞与で損をしないためのチェックリスト

ボーナスを受け取って円満退職するために、以下のステップを確認してください。

  1. 賞与支給日と「算定期間」を確認する

    会社によっては「支給日に在籍していないと払わない」という規定がある場合があります。退職願を出す前に就業規則を必ずチェックしましょう。

  2. 有給休暇の消化を含めた退職日設定

    有給を使い切って、最終的な退職日を「月末」にするのか「月末以外」にするのか、カレンダーを見ながら慎重に決めます。

  3. 健康保険の切り替え方法を決めておく

    「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養」のどれが最も安くなるか、退職前に試算しておくのが賢い選択です。


6. まとめ:戦略的な退職日で賢く資産を守る

賞与は、これまでのあなたの頑張りに対する正当な報酬です。だからこそ、仕組みを知らないだけで数万円単位の損をしてしまうのは非常にもったいないことです。

「社会保険料」は一見複雑ですが、**「月末に在籍しているかどうか」**というシンプルなルールで動いています。

  • 目先の手取りを増やしたいなら、月末の1日前に退職。

  • トータルの負担を減らし、将来の保障も守りたいなら、月末に退職。

ご自身のライフプランや次の転職先との兼ね合いを考えて、最も納得のいくタイミングを選んでくださいね。




このブログの人気の投稿

雇用保険の加入期間を確認する方法は?被保険者番号が分からない時の調べ方と名寄せの注意点

【新旧比較】保険料控除を最大化する組み合わせは?「旧制度」と「新制度」どっちを優先すべきか徹底解説