ボーナスの手取りが少なすぎる!額面との差が激しい理由と「社会保険料」を抑える裏技
「やっと待ちに待ったボーナス日!」と意気揚々と通帳を記帳したり、WEB明細を開いたりした瞬間、絶句した経験はありませんか?
「額面は80万円なのに、手取りは60万円ちょっとしかない…」「20万円近くどこに消えたの?」と、あまりの控除額の多さに、喜びが怒りや悲しみに変わることもあるでしょう。実は、ボーナスの手取りを劇的に減らしている最大の正体は、所得税よりも**「社会保険料」**です。
この記事では、賞与から引かれる社会保険料の仕組みを解き明かし、**「どうすれば手取りを最大化できるのか」**という具体的かつ合法的な対策を詳しく解説します。知っているか知らないかで、手元に残る現金に大きな差がつきますよ。
1. なぜボーナスの手取りは「3割近く」も減るのか?
一般的に、ボーナスの手取り額は**「額面の約75%〜80%」**になると言われています。つまり、100万円のボーナスが出ても、20万〜25万円は手元に残らない計算です。
その内訳の大部分を占めるのが、以下の3つの社会保険料です。
健康保険料(+40歳以上は介護保険料): 医療制度を支えるための費用
厚生年金保険料: 将来の年金原資となる費用
雇用保険料: 失業手当や育休手当の財源
これらは毎月の給与からも引かれますが、賞与の場合は「賞与額(1,000円未満切り捨て)」に対して直接料率が掛けられるため、金額が大きければ大きいほど、引かれる額も目に見えて膨れ上がります。
2. 【必見】賞与の社会保険料を抑えて手取りを増やす具体策
「引かれるのは仕方ない」と諦めるのはまだ早いです。制度を正しく理解し、戦略を立てることで、合法的に手元に残るお金を増やすことが可能です。
① 「育児休業」を戦略的に取得する(最強の免除制度)
現在、最も効果が高い対策がこれです。育児休業期間中は、**本人負担分だけでなく会社負担分の社会保険料も「全額免除」**されます。
特に注目すべきは、2022年の法改正です。
賞与月の末日に育休を取得していること
かつ、その月の育休期間が「1ヶ月超」であること
この条件を満たすと、その月の賞与にかかる社会保険料が数万円〜数十万円単位でゼロになります。パパが「ボーナス月を含めて1ヶ月強の育休」を取ることは、家事育児への貢献だけでなく、家計にとっても極めて強力な「手取り最大化戦略」になります。
② 「選択制確定拠出年金」の導入を確認する
勤務先に「選択制確定拠出年金(選択制DC)」という制度がある場合、賞与の一部を積み立てに回すことができます。
この積み立てに回した分は**「給与(賞与)扱い」ではなくなる**ため、社会保険料の計算対象から外れます。所得税や住民税も安くなるため、将来の資産形成をしながら、今現在の社会保険料負担を抑えるという一石二鳥の対策です。
③ 「4月〜6月」の残業をコントロールする
賞与そのものの保険料率を下げるわけではありませんが、年間の社会保険料負担を抑える上で「4〜6月の給与」は極めて重要です。
毎月の保険料は、この3ヶ月間の平均給与(標準報酬月額)で決まります。ここで残業をしすぎて標準報酬月額のランクが上がってしまうと、「賞与から引かれる保険料率」は変わりませんが、毎月の手取りが1年間にわたって減り続けることになります。年間の総手取り額を増やすなら、春先の働き方が鍵を握ります。
3. 知らないと損をする「社会保険料の上限」のルール
実は、社会保険料には「青天井で引かれるわけではない」という上限設定があります。これを知っておくと、高額な賞与を受け取る際の心理的負担が少し和らぐかもしれません。
厚生年金保険料の上限:
1回あたりの賞与につき、150万円が上限です。つまり、ボーナスが200万円であっても、150万円を超えた分については厚生年金保険料がかかりません。
健康保険料の上限:
年度(4月〜翌3月)の累計額で573万円が上限です。
「たくさん稼ぐ人ほど、実は料率的な負担感は少しずつ下がる」という仕組みになっています。
4. 退職時期による「社会保険料」の落とし穴
転職や退職を考えている方は、賞与を受け取るタイミングと退職日に注意してください。
社会保険料は「月末時点で在籍しているか」で判断されます。
もし、賞与支給月の末日より前に退職(資格喪失)した場合、その賞与からは健康保険料と厚生年金保険料が引かれません。
「引かれないなら得じゃないか!」と思うかもしれませんが、以下の点に注意が必要です。
年金の加入期間にカウントされない: 将来の年金額に影響します。
自身で国民健康保険・国民年金に加入する必要がある: 会社負担分がなくなるため、結果として自分で払う額が高くなるケースが多いです。
安易に「保険料を浮かすために月末前に辞める」のは、リスクがあることを覚えておきましょう。
5. まとめ:賢く備えてボーナスを最大限に活かそう
「ボーナスの手取りが少なすぎる」という不満は、日本の社会保険制度を理解すれば、ある程度コントロールできる不満に変わります。
育休免除制度を賢く利用する
確定拠出年金(DC)などの制度をフル活用する
上限額や標準報酬月額の仕組みを把握する
これらの知識を持つことで、単に「引かれて悲しい」と思うだけでなく、より有利なマネープランを立てられるようになります。社会保険料は、私たちが病気や怪我、老後を迎えた時の「安心料」でもありますが、ルールを知って賢く付き合うことが、現代の賢い資産防衛術です。
次回のボーナス明細を見る時は、ぜひ「どの対策が使えるか」をチェックしてみてくださいね。