共働き夫婦の年末調整、保険料控除はどっちで書くのがお得?節税効果を最大化する仕分けのコツ


「共働きだから、保険料控除はそれぞれ自分の分を出すのが当たり前」と思っていませんか?実は、夫婦どちらの書類にどの保険を書くかによって、世帯全体の還付金の総額が変わることがあります。

年末調整の時期、会社から配られる書類を前にして「私の医療保険は私、夫の生命保険は夫」と機械的に仕分けてしまうのは、非常にもったいないかもしれません。特に控除額には上限があるため、出し方を工夫するだけで数千円から、場合によっては万単位で節税額に差が出ることもあるのです。

この記事では、共働き夫婦が直面する「どっちの年末調整で申告すべきか」という疑問を解消し、世帯全体で最も得をするための具体的な仕分けのコツを分かりやすく解説します。


保険料控除は「実際に支払っている人」が受けられる

まず大前提として知っておきたいのが、保険料控除は「保険の契約者」ではなく「保険料を実際に支払っている人」が受けられるというルールです。

例えば、妻が契約者の生命保険であっても、その保険料を夫の銀行口座から引き落としていたり、夫の給与から支払っていたりする場合は、夫側の年末調整で控除を受けることができます。

共働き夫婦の場合、家計を一つにまとめているケースも多いでしょう。このルールを上手く活用することで、夫婦のどちらで申告するのが有利かを自由に選択できる余地が生まれます。


節税効果を最大化する「仕分け」3つのポイント

世帯全体の還付金を増やすためには、以下の3つのポイントを意識して仕分けを行いましょう。

1. 所得税率が高い方の親族に集約する

日本の所得税は、所得が高いほど税率が上がる「超過累進税率」を採用しています。

同じ10万円の控除を受けるにしても、税率5%の人より税率20%の人が申告したほうが、手元に戻ってくる金額は大きくなります。夫婦間で年収に差がある場合は、まずは年収が高い(=税率が高い)方の年末調整で控除枠を使い切るのが基本戦略です。

2. 控除額の「上限」を意識する

各保険料控除には、それぞれ上限額が設定されています。

  • 一般生命保険料控除:所得税最大4万円

  • 介護医療保険料控除:所得税最大4万円

  • 個人年金保険料控除:所得税最大4万円

    (※2012年以降の「新契約」の場合。合計で最大12万円)

一人の書類にすべての保険を詰め込んでも、上限を超えてしまった分は切り捨てられ、節税には寄与しません。例えば、夫がすでに生命保険だけで上限の4万円に達しているなら、残りの医療保険などは妻の書類で申告したほうが、妻側の所得税が安くなり、世帯全体の節税額が増えることになります。

3. 「新旧」の区分を確認する

2011年以前に契約した「旧契約」と、2012年以降の「新契約」では、控除される金額の計算式が異なります。旧契約の方が控除限度額が高いため(一般・年金それぞれ最大5万円)、どちらの枠で申告するのが効率的か、手元の証明書をよく確認してシミュレーションすることが大切です。


ケース別:こんな時はどっちで書く?

具体的なシチュエーション別に、おすすめの仕分け方法を見ていきましょう。

夫が年収600万円、妻が年収200万円(パートなど)の場合

この場合、明らかに夫の所得税率の方が高いため、まずは夫の年末調整で全ての控除枠(一般・介護医療・個人年金)を埋めるように書類を作成します。夫の枠が上限に達して余った分だけを、妻の書類で申告するのが最もお得です。

夫婦ともに年収が同程度の場合

どちらで申告しても税率は変わらないため、まずはどちらか一方で上限額に達するように調整します。どちらも上限に達しないのであれば、どちらで出しても効果は同じですが、管理のしやすさで決めても良いでしょう。

妻が育休中の場合

育休中でその年の収入が大幅に減っている、あるいは無収入の状態であれば、妻側で申告しても所得税が発生していないため、還付されるお金もありません。この場合は、妻が契約している保険であっても、夫が支払っている実態があれば、迷わず夫側で申告しましょう。


注意点:住民税への影響も忘れずに

年末調整で申告した内容は、翌年の「住民税」にも反映されます。所得税での還付金だけでなく、毎月の給料から引かれる住民税が安くなるメリットも大きいです。

ただし、住民税の保険料控除上限額は、所得税よりも低く設定されています(各枠最大2.8万円、合計最大7万円)。所得税で有利だからと一人にまとめすぎると、住民税の枠を大幅にオーバーしてしまうことがあります。細かく計算するのは大変ですが、「上限を超えたら相手の枠へ」という基本を忘れないようにしましょう。


よくある間違いとトラブル回避

  • 重複申告はNG:1つの保険契約(1枚の証明書)を、夫婦両方の書類に分けて書くことはできません。必ずどちらか一方で申告してください。

  • 契約者変更の手続きは不要:控除を受けるためにわざわざ保険の契約者名義を変える必要はありません。申告書の「保険料を支払った者」の欄に名前を書き、実態として支払っていれば問題ありません。

  • 地震保険料控除も忘れずに:生命保険だけでなく、地震保険も同様です。自宅が共有名義であれば、どちらか一方で申告できます。


まとめ:毎年一度の「仕分け」で賢く貯蓄を増やそう

共働き夫婦にとって、年末調整はただの事務作業ではなく、立派な「家計管理」の一環です。

  1. 夫婦の年収(税率)を把握する

  2. 保険料控除の上限(各4万円)を超えていないかチェックする

  3. 上限に達した分は、もう一方の配偶者の書類に回す

このステップを意識するだけで、手元に残るお金が変わります。浮いた税金で美味しい食事に行ったり、将来のための貯蓄に回したりすることもできるでしょう。

今年の年末調整は、夫婦で一緒に証明書を並べて、どちらで出すのがベストか話し合ってみることから始めてみてください。



保険料控除を年末調整で最大限に活用する方法!賢く節税して還付金を受け取るための完全ガイド